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補聴器のよくある誤解3つ!あなたも誤解しているかも

  • 公開日:2021.02.10
補聴器
おどろいている女性

補聴器と聞いてイメージするのはどんなことですか?「昔知り合いがつけていた」「なんかテレビで見たような気がする」「少しなら知っている」…実は、聞こえが気になる方が補聴器について相談に来られる際、補聴器に対するイメージや理想とのギャップに驚くことは多くあります。聞こえの問題に対して何かできないかと考え、せっかく行動をしたにもかかわらず、誤解によって補聴器をつけること自体にネガティブになってしまうのはもったいないことです。

今日は補聴器についてお話をした時に皆さんがよく驚かれること、「補聴器にまつわるよくある誤解」について、主に3つを取り上げたいと思います。これから補聴器購入を検討される方、今まさに補聴器をお試しなっている方、ご家族に補聴器を勧めたいと思われている方など、ぜひ知っておいていただきたいことです。

誤解① 補聴器をつけたらすぐに聞こえるようになる?

メガネと時計

眼鏡はほとんどの方が、かけるとすぐ効果を実感できますが、補聴器は違います。補聴器をつけてすぐに聞こえるようになるのではなく、補聴器の音に慣れるまでは、大体3ヶ月程度の時間が必要です(個人差あり)。この理由ですが、難聴の期間が長ければ長いほど、脳は「音の情報が少ない状態」に慣れてしまっています。つまり、初めて補聴器をつけた時に聞こえてくる音に慣れていないので、うるさいと感じる方がほとんどなのです。

今まで聞こえていなかった音

不快なほどにうるさいと感じる場合は調整が必要ですが、まずは少し様子を見て、「これまでこんな音が聞こえていなかったのか」という風に捉えてみて下さい。今まで聞き逃していた、周りにあふれる様々な音に気が付くことができるかもしれません。補聴器を試すことには不安もあると思いますが、最初は違和感があるのが当たり前、という気持ちで始めてみて下さい。

誤解② 補聴器をつけたら以前のように聞こえるようになる?

過去・現在・未来

補聴器をつけたら「全ての音が以前のように」聞こえるようになると思われる方が多いのですが、例えば、がやがやした場所での会話、テレビのバラエティ番組といった、周りの騒音が極端に大きい環境や、早口、話し手が頻繁に切り替わる環境などでは、補聴器での聞こえの改善には限界がある場合もあります。

また、難聴により言葉を聞き分ける力も低下します。補聴器をつける前にこの力が50%だった方が、補聴器をつけて100%になるということはありません。少し向上するということもありますが、基本的には補聴器をつけることで、「今持っている言葉を聞き分ける力を最大限に活かす」ことを目指します。

ご家族の方にありがちなこと

難聴の方のご家族の方によくあることは、補聴器をつけているから離れたところから声をかけても聞こえるだろう、聞こえて当然だろうという考え方です。補聴器をつけると全てが聞こえるようになるわけではありません。補聴器をつけてからもコミュニケーションの際の工夫はとても大切になります。そういった工夫をすることで、聞こえに限界があっても、より良いコミュニケーションがとれるということに繋がります。

補聴器でもちろん聞こえを改善することができますが、そこには限界もあるということを知っておいていただけたらと思います。

誤解③ 補聴器は大きくて見た目もイケてない?

Oticon-T3-1953 補聴器と聞いてイメージする見た目はどんな感じでしょうか?このような想像をした方も多いのではないでしょうか?

補聴器は技術の進化によって、小型化、軽量化が進んでいます。補聴器のラインナップをお見せすると「こんなに小さくて軽いんですね!」と驚かれる方が多いです。現在では耳の後ろ耳の中にすっぽり収まるほどの小さいサイズ(聴力によっては小さいサイズが使用できないこともあります)のものもありますし、形もよりスタイリッシュでデザイン性の高いものが増えてきています。

自分に合ったものを選ぶ

補聴器の形は一つではなく、複数の中から選ぶことができます。そして、それぞれにメリット、デメリットがあります。目立たないものが良いという理由で小さいサイズを要望される方も多いのですが、小さく作る分一部の機能が制限されている、扱いが難しいなどのデメリットがあります。また、見せることは悪いことではなく、周りに難聴であること理解してもらいやすくなり、会話の際に工夫してもらえることでコミュニケーションが円滑になるというメリットもあります。

このようにそれぞれのメリット、デメリットを把握したうえで、自分に合うものを選んでいただくことが大切です。

皆さんが抱いている誤解をとく一助になりましたでしょうか?せっかく聞こえの改善に前向きになっているのに、誤解があるままだと十分に補聴器を活かせず、使用を断念してしまうことにも繋がりかねません。逆に言えば、事前に理解して補聴器を試していただくことで、より早く補聴器の音に慣れたり、補聴器を使いこなしていただけるようになるでしょう。補聴器とうまく付き合いながら、より豊かな生活を送りましょう!

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  • 記事投稿者

    ヘルシーヒアリング編集局

    ヘルシーヒアリング編集局

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  • 記事監修者

    田中ちえみ

    田中 智英巳

    デマント・ジャパン株式会社 アドバンスト・オーディオロジー・センター・センター長、ハワイ大学マノア校 Adjunct assistant professor, 静岡県立総合病院 客員研究員、ASHA認定オーディオロジスト、ハワイ州オーディオロジスト。■詳しいプロフィールを見る■

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