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補聴器の選び方|買ってから後悔しないための基礎知識と注意点

  • 公開日:2021.11.05
補聴器 購入 ヒント
補聴器

聞こえをサポートする補聴器は、薬機法の管理下にある「管理医療機器」にあたります。医療目的で安全に使用するためには、薬機法の基準を満たすことが必須で、販売価格も高い傾向にあります。高額な機器ですから、買い物の失敗は避けたいですね。

補聴器の購入前に、耳鼻咽喉科の医療機関で診察や聴力測定の検査を受け、医師に相談しましょう。ここでは、補聴器が必要な方へ向けて、補聴器の選び方について解説します。

補聴器を選ぶ前に知っておきたい基礎知識

初めに、補聴器選びで大切な基礎知識をお伝えします。最適な補聴器は、聴力レベルや生活環境によって変わるため、一人ひとり違います。まずは選び方の基本的なポイントを理解しておきましょう。

補聴器とは?

補聴器とは、マイクから入ってきた音を利用者の聴力に合わせて増幅・加工して出力する、管理医療機器の一種です。薬機法の管理下にある機器であり、厳しい検査を受け、安全性が認められて初めて製造販売が出来るもので、聞き取りやすいサポート機能のついたワイヤレスイヤホンや集音器などとは異なります。補聴器の販売や認証は、薬機法により基準が定められています。

補聴器の主な種類

耳かけ型

BTE

耳にかけて使用するタイプの補聴器です。本体のサイズが少し大きいため操作しやすく、搭載される機能も多い傾向にあります。また、一般的に出力可能な最大音量が他のタイプの補聴器よりも大きいのも特徴的です。

通常の耳かけ型は、耳穴に設置する耳栓部へチューブ経由で音声を伝える仕組みです。それに対して、耳穴にレシーバーを設置する仕組みの、外耳道内レシーバータイプもあります。これらの補聴器は、「RITE(ライト)」や「RIC(リック)」と呼ばれています。

耳あな型

BTE

耳穴に入れて使用するタイプの補聴器です。本体のサイズが小さめで装用時に目立ちにくく、メガネや帽子などを着用しやすいといえます。耳穴の奥へ完全に隠れる極小サイズの「IIC」や「CIC」、耳穴にフィットする「カナル(ITC)」などの種類があります。

ポケット型

大型の補聴器本体をポケットに入れたり、首から掛けて持ち歩き、本体に接続されたイヤホンを耳に装用するタイプの補聴器です。近年では利用者が少ない傾向にあります。装用するとコードが目立ちやすいものの、重度の難聴にも対応可能で、操作をしやすいのが特徴です。市販の乾電池を使用でき、両耳装用タイプの商品もあります。

補聴器の選び方の主な基準

補聴器を選ぶ際は、購入後に安心して使い続けられることが重要です。快適な聞こえや装用感をかなえるために、以下の基準を参考にしてみてください。

利用目的

ご自身が使いたい機能を搭載した補聴器を選ぶと良いでしょう。補聴器の機種やグレードなどにより、搭載されている機能が異なります。目的が決まっていると、補聴器販売店でおすすめの機種を選びやすくなります。「家族など複数人の会話で使用したい」「テレビの音をもっとクリアに聞き取りたい」「出かけるときのみ使用したい」など、具体的な使用環境を伝えましょう。

利用時の状況

補聴器は、形状別の特徴を踏まえて選ぶ方法もあります。なるべく目立たないものを選びたいなら、耳の後ろに隠れる小型の耳かけ型がおすすめです。メガネやマスクをよく利用する場合、耳かけ型は干渉するおそれがあるため、耳穴型をおすすめします。細かな操作が難しい方は、小型のタイプを避けたほうが無難です。

価格帯

補聴器の価格帯は、片耳で数万円~50万円以上と、幅が広い傾向にあります。その理由は、補聴器によって機能や形状などが異なるためです。補聴器には寿命があるため、買い替えを前提として価格帯を検討しましょう。なお、一般的に補聴器の寿命は5年程度とされています。

メーカー

補聴器には、海外のメーカーで作られた外国製のものと、日本のメーカーで作られた国内製のものがあります。両者を比較すると、国内製よりも外国製のほうが多くの種類があり、かつ世界的なシェアが高い傾向にあります。

サイズ

補聴器のサイズは、種類によって異なります。耳の形に合わせて作る、オーダーメイドタイプの耳あな型補聴器もあります。また、耳かけ型の既製の耳栓が耳に合いにくい場合、耳の形に合わせた専用耳栓(イヤモールド)を作成することも可能です。

補聴器を選ぶ際の注意点

補聴器を購入する場合は、耳鼻咽喉科の医療機関を受診しましょう。その後、補聴器販売店などで補聴器のフィッティングを行うのが一般的です。最後に、注意したいことをお伝えします。

選ぶ前に耳鼻咽喉科医の診断を受ける

医師

難聴が疑われたら、初めに医療機関を受診し、医師の判断を仰ぎましょう。難聴の種類によっては、治療による改善が期待でき、補聴器を利用せずに済む場合があるためです。その際、補聴器相談医に認定されている耳鼻咽喉科医師を選ぶと安心できます。補聴器相談医とは、難聴者が適切に補聴器を選択できるよう対応する耳鼻咽喉科専門医です。

選ぶ際には本人以外に家族も同席する

補聴器選びでは、機種選びを相談できる身近な方に付き添っていただくようおすすめします。本人のほかにご家族がいると、装用の効果について冷静に判断しやすくなります。また、ご家族も補聴器の使い方を確認することで、サポートしやすくなるのもメリットです。

公的な補助制度を利用できるか調べておく

補聴器の購入は、医療保険や介護保険などの適用対象となりません。一方で、自治体によっては公的な補助制度が用意されている場合があります。お住まいの市区町村の補助制度を確認し、対象となる要件を満たしているか確認しておくようおすすめします。

高額な補聴器ほど聞こえやすいとは限らない

一般的に、高額な補聴器ほど詳細な調整がしやすい傾向にあり、なかには騒音やハウリングを抑える機能が搭載された機種もあります。ただし、機能面が充実しているからといって、必ずしも聞こえやすいとは限りません。ご自身に必要な機能を見極めて、納得できる金額のものを選びましょう。

返品対応について確認しておく

補聴器の返品に関するトラブルが多発し、国民生活センターで注意喚起が行われています。万が一、購入した補聴器を使用できない場合は、返品対応が必要となることも。購入前に、返品手続きをチェックしておきましょう。

ライフスタイルに適した補聴器の選び方を心がけましょう

今回は、補聴器が必要な方へ向けて、選び方をお伝えしました。耳鼻咽喉科の医療機関を受診し、補聴器が必要となったら、ご紹介したポイントを参考にご自身に合う補聴器を探してみましょう。最適な補聴器は、一人ひとり異なります。お近くの補聴器販売店で相談や試聴を行い、快適に装用できる補聴器をお選びください。

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  • 記事投稿者

    ヘルシーヒアリング編集局

    ヘルシーヒアリング編集局

    1. ポータルサイト「ヘルシーヒアリング(healthyhearing.jp)」の運営
    2.「安心聞こえのネットワーク」連携サポート

  • 記事監修者

    若山 貴久子 先生

    若山 貴久子 先生

    1914年から100年以上の実績「若山医院 眼科耳鼻咽喉科」院長。■詳しいプロフィールを見る■

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