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聞こえに悩む人も一緒にパーティを楽しむためのヒント

  • 更新日:2021.11.29
  • 公開日:2017.12.21
難聴 ヒント
パーティーをする人々

家族や友人たちとゆったり過ごす年末年始のおもてなしの席やパーティ、季節のイベントなどには、さまざまな人々が集います。その中には聞こえに悩みを抱えている人々もいるかもしれません。思わず会話を邪魔してしまうことなく、誰もが楽しめる素敵な時間をつくり出すための、ちょっとしたヒントをお届けします。

聞こえの悩みを持つ方をもてなす基本ポイント

聞こえの悩みを持つ方を招くときは、キッチンや食事の用意をするための準備コーナーなどから離れた場所に席を設けるのが基本です。参加している一人ひとりの顔ができるだけ見える位置、たとえばテーブルの両端(お誕生日席とも呼ばれます)に座ってもらうのも良いでしょう。

もしその方が片側の聞こえが反対側の耳より良い場合には、聞こえの良い側に他の人々が座るようにしましょう。子どもたち用のプレイルームは別室にして、テレビを見る場所を決めたり、ゆっくり会話を交わせる静かなコーナーを設けるたりするのもおすすめです。

BGMの音量を下げて会話の邪魔にならない心遣いを

大きな音量のBGMなど背景に騒音があると、聞くことが難しくなります。人々が集う場所では会話が盛り上がりますし、人が増えればお皿や食器類が触れる音、料理中の鍋などの音も大きくなります、これらはすべて騒音として、聞き取りをむずかしくさせます。

騒音が増えると、人々は大きな声でしゃべりがちです。人々の声が騒音に加わって背景音がイッキに高まると、相手の話し声がかき消され、健康な聞こえの方でも聞き取れないことが。もしも聞こえに問題があるとしたら、パーティの場面などはきわめてむずかしい環境と言えるでしょう。

にぎやかな場所での対処として、BGMのような音楽を流す場合は最初から音量をかなり落としておきましょう。カーテンを閉めるなどして、静かな環境を作り出すのもいいでしょう。カーテンは音だけでなく、ぎらつきや反射を減らすことにも役立ちます。

お皿などを片づけ始めるのは、お客様がテーブルから離れてからに。食事中はテレビを消したり、または字幕付きの映画や動画、文字放送(キャプション)などを併せて活用すると親切です。これらの補助機能があれば、音量を落としても皆が内容を知ることができます。

口の動きや表情がよく見える環境づくりも大切

ほとんどの補聴器には「指向性」という機能があります。この効果により、ユーザーは目を向けている以外の方向から音や声を聞き取るのが非常にむずかしくなります。

たとえば誰かが話し始めたとき、補聴器ユーザーはその人が話し始めたことが目に入っていない限り、そのことに気づきません。話し手を認識して初めて耳を傾けることができるのです。聞こえの悩みを持つ方にとって、周りの人々の顔が見えることで会話を始めるタイミングがとらえやすくなり、口の動き、表情、ボディランゲージなどが聞き取りの助けになります。

そこで、食卓は明るく、お互いの顔がはっきり見えるようにしましょう。照明を落とした部屋はムードを演出しますが、視覚の助けが必要なゲストが会話に十分についていけるように、バランスを取った明るさを保ってください。

机の上に視覚の妨げになるような大きなものを置かないことも大切。そうすればお互いが楽に顔を見ながら会話をかわせます。キャンドルを置くなどの場合は、テーブルの真ん中ではなく部屋のコーナーなどに飾ると良いでしょう。

周りのみんなの力も借りましょう

周りの人々が、難聴の問題がある方はサポートが必要なことに気づいていない場合も少なくありません。周囲の人にどのような気遣いをしてもらいたいか、伝えることも大切です。

身内の食事会、パーティ、イベントなど大きさや規模は異なっていても、招く側の人々は皆、参加している人に楽しく過ごしてもらい、良い会にしたいと願っているはずです。聞こえに不安がある場合は、友人や家族、招待してくれた相手、イベント主催者や全体を仕切っている人などに、悩んでいる問題を相談しましょう。聞こえの問題がある方も楽しい時間を過ごすことができる環境は、そこに集うすべての人にとっても会話を弾ませやすく、楽しい時間を過ごせる環境なのですから。

他のゲストに聞き取りの良い側に座ってほしい、キッチンやテレビなどからはいちばん離れた位置が良いなど、気になることは遠慮なく相談することが大切です。

食事の席などでは、隣の席の人にも会話をキャッチする手助けをしてもらうようにお願いしましょう。誰かがあなたに話しかけたり答えを求めていることに気づいた時は、腕に触れるなどちょっとした合図を送ってもらうのも一案です。

コミュニケーションが難しいと気づいたときは、相手に、自分の顔を見ながら話をしてもらうように伝えましょう。様々な騒音が聞こえを邪魔していると気づいたら、聞き取りが難しい状況にあることを周りの人に伝えることも大切です。


出典:オーティコン補聴器HPにて掲載された記事を再編成したものです。本記事のコピーライトはオーティコン補聴器に帰属します。(2021年11月29日追記:リンク切れにより削除)

  • 記事投稿者

    ヘルシーヒアリング編集局

    ヘルシーヒアリング編集局

    1. ポータルサイト「ヘルシーヒアリング(healthyhearing.jp)」の運営
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  • 記事監修者

    若山 貴久子 先生

    若山 貴久子 先生

    1914年から100年以上の実績「若山医院 眼科耳鼻咽喉科」院長。■詳しいプロフィールを見る■

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