2020.04.22公開

テレワークをされている難聴のある方へ:ウェブ会議に参加する際のヒント

テレワークする女性

在宅勤務、遠隔勤務、テレワーク:どんな言葉で表現するとしても、難聴を抱えている方にとって、自宅で遠隔で働く、またホームオフィスを構えるといった場合には、特に越えていかなければならない特有の課題があります。

現在の世界的なコロナウイルス(COVID-19)の拡大など想定していなかった状況のため、テレワークを取り入れる必要がある場合、私たちは新しい働き方に適応することを学ばなければなりません。さらに、聞こえづらさの問題がある方にとってときに様々なテクノロジーが、私たちが望むほどには適応してくれていないことに気付くかもしれません。このようなことは、ストレスや社会からの距離を感じ、孤独を増すばかりでなく圧倒されることもあるかもしれません。

普段からインターネット回線を利用した自宅でのテレワークや、テレビ会議などを利用しての仕事に慣れていない場合、発言していないときにはマイクをミュート(消音)に設定するなどといったことに案外気づかないかもしれません(同時にミュートのまま話をしていて自分の声が相手に届いていないこともあるので注意が必要です!)。このような小さなヒントでも実際に非常に役に立つものです。

米国ヘルシーヒアリングの代表であり、聴覚ケアの専門家でもあるマンディ=ムラ-スはさらに続けます。

難聴のあるリモートワーカーの手助けなる私からのとっておきのヒントは、テレビ会議に参加する全員がマイク付きのヘッドセットを使用しているかどうかを確認いただくことです。ヘッドセットを使用することは、会議に参加するすべての参加者にとって音質が向上し、聞き取りやすさにつながります。

難聴とテレワーク・インフォグラフィックス

聞こえづらさを感じている方に向けて、そしてそうではない同僚の方々に向け、どんなポイントが大切かをお伝えするために、American Speech-Language-Hearing Association(ASHA:米国言語聴覚学会)は、ヒントをまとめたリスト(英文)を公開しています。このヒントリスト集を基にヘルシーヒアリングでは、遠隔でのウェブ会議で役立つヒントをお届けします。

ウェブ会議(リモート会議、ビデオ会議)でのより良い聞き取りのために

  • 参加者をお互いに紹介したり確認の時間を持ちましょう:可能であれば全員を紹介しあったり、また音量の確認をしましょう。これにより難聴の方は、音量や音質を調整しながら会議に臨むことができます。
  • ビデオ画面の使用について。 「聞こえの問題に悩む人も聞こえの問題がない人でも話者の顔が画面を通して見えるなど視覚的な手がかりを利用できることは、会話の理解に役立ちます」と米国言語聴覚学会のヒントリストでも挙げられています。
  • 照明を確認しましょう 参加者がお互い顔を見ながら行うビデオ会議の間、あなたの後ろではなくあなたの前に照明を置くことが最善の方法です。バックライト(背景からの証明)は、他の参加者があなたの顔を見づらくなる可能性があります。
  • マイク付きのヘッドセットを使用しましょう。「マイク付きのヘッドセットの積極的な採用は、すべての参加者に、より音質を高めた聞き取りが可能になるメリットがあります。」と米国ヒアリングヘルス代表のムラースは述べます。「デメリットについては費用がかかることだと思いますが。ここにはお金を使っていただく価値があると私たちは考えています。」
  • 画面の前で口元をふさがないようにしてください*。手、髪、服などを口や顔の近くに近づけないでください。発言するときは、聞き手に聞こえるように、理解できるように工夫してください。
  • 発言していないときは、ミュートボタン(消音)を使用しましょう。これにより、聞き取りの妨げになる、不要な背景騒音が減少します。
  • 発言の順番を待ちましょう。 「バーチャル会議では、1つの話者から次の話者に移ったのを聴くのが難しいため、他の話者が発言している場合は話が終わるのを待ちましょう」と米国言語聴覚学会も指摘しています。
  • 会議の内容を録画しましょう。(会議の議事録をとることもお勧めです)これは、ウェブ会議の一部または、その全部を逃した方にも役立ちます。録画を残した場合、難聴がある方は、必要に応じて、後から再生速度を下げて内容を確認することもできます。
*ただし複数人会議室に入らなければならない、またマスクの着用が推奨される場面では、引き続きマスクの着用して臨んでください、その折は補足の資料を準備する、チャットボックス(テキストで発言内容を補足する)なども効果的です。

難聴がある方にとってのテレワーク

  • 補聴器の外部機器接続機能をお試しください。 「補聴器を装用されている場合には、お使いの補聴器とウェブ会議や電話会議などに使用する機器にBluetooth経由でつなぐ接続オプションがあるかどうかお買い上げの補聴器販売店へご相談ください」と米国言語聴覚学会のヒント集では述べています。
  • ノイズキャンセリングヘッドフォンをお試しください。これらは、不要な背景騒音を減らし、話者の声を聞き取りやすくします。また補聴器と併用が可能なオーディオ製品もあります。
  • 最後に、ご自身からも働きかけを。 より良いコミュニケーションは、すべての人にとって重要な権利です。同僚や相手の声を聞き取れない、または理解できない場合は、必ず雇用主や会議の主催者に相談をいただき、聞き取りづらさについて率直にお話ください。もしあなたが聞き取りに苦労している場合は、他の参加者も同じように聞き取りに苦労している可能性があります。難聴があることでウェブ会議の席で交わされる仕事の課題や宿題、進捗情報、必要な知識といった会議の中や会議の後で重要となる情報をのがすべきではありません。

難聴がコミュニケーションに与える影響

適切に調整された補聴器を装用いただくことで、多くの一般的なコミュニケーションの問題は改善することができます。補聴器を装用して電話会議に臨まれる場合には、いま一度補聴器が正しく装用できているか、また補聴器の音の出口に耳あかなど汚れが付着していないかなどについても確認ください。

ヘルシーヒアリング編集局


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■英語版記事はこちらから

米国「Healthy Hearing」2020年4月14日の記事「Working remotely with hearing loss: Tips for virtual meetings」(US Healthy Hearing 編集 Joy Victory寄稿)