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目立たない・見えにくい補聴器4種|タイプ別に選ぶ際の注意点も解説

  • 更新日:2025.07.04
  • 公開日:2022.06.29
補聴器 ヒント
IIC横からロングとクローズ

「補聴器を検討しているけど周りに気づかれたくない...」 「目立たない・見えにくい補聴器はある?」 見えにくいこのような補聴器をお探しの方にピッタリの目立たない・見えにくいタイプのものが存在します。しかし、このタイプを選択する際は「聴力レベルは適応範囲内か」「ベタベタと湿った耳垢ではないか」などいくつかの確認しておくべきポイントがあります。 本記事では、できるだけ目立たない補聴器を探している方に向けて以下を解説します。

 

  • 目立たない・見えにくい補聴器4種
  • 小型補聴器を選ぶ際の5つのポイント

補聴器全般の種類を知りたい方は「【比較表付き】補聴器9種類の特徴|自分に最適な補聴器を選ぼう!」を参考にしてください。

目立たない・見えにくい補聴器4種

目立たない・見えにくい補聴器には以下のような種類があります。

1.IIC (Invisible-in-Canal) ほとんど見えにくい超小型耳あな型補聴器
2.CIC (Completely-in-Canal) 目立たない小型耳あな型補聴器
3.カナル 機能と操作性のバランスが良い耳あな型補聴器
4.RITE (Receiver in The Ear) 目立ちにくい耳かけ型補聴器

耳あな型補聴器は、耳の形に合わせて製作するオーダーメイドタイプと既製品があります。同じ機能の場合、耳かけ型に比べオーダーメイド補聴器はやや高額になることもありますが、オーダーメイドならではのメリットも存在します。それぞれの補聴器の詳細を解説します。

1.IIC|ほとんど見えにくい超小型耳あな型補聴器

IICは耳の中にすっぽりと収まる耳あなタイプで最も小さな補聴器です。耳あなの中に収まるため外からはほとんど見えません。その他の特徴は以下の通りです。

補聴器の種類 特徴
IIC
1.IIC
・耳本来の集音機能を生かすことで、耳あな型の中では自然な音質を得られやすい
・軽度から中等度の難聴の方に適している
・風の音や髪の毛の擦れる音が入りにくい
・メガネ・マスク・帽子の装着の邪魔をしない

◆おすすめできる人と選ぶ際の注意点

IICをおすすめできる人は以下のような方です。

  • 補聴器を付けていることを周囲に知られたくない方
  • 聴力レベルが適応聴力範囲内に収まっている方
  • 耳垂れなどがない方

手先の器用さや視力に不安がある方、高度・重度難聴の方に向かない場合があります。購入の際は、認定補聴器技能者などの専門知識をもつ販売店スタッフに相談しましょう。

2.CIC|目立たない小型耳あな型補聴器

CICは、IICの次に目立たない耳あな型補聴器です。耳の形の都合でIICが作成できない場合にCICを推奨することがあります。CICも、軽度から中等度の難聴の方に適した補聴器です。主な特徴は以下の通りです。

補聴器の種類 特徴
CIC
2.CIC
・IICの次に小型サイズで外から見えにくい
・軽度から中等度の難聴の方に適している
・耳本来の集音機能を生かすことで、耳あな型の中では自然な音質が得られやすい
・風の音や髪の毛の擦れる音が入りにくい
・メガネ・マスク・帽子の装着の邪魔をしない
・プログラム切り替えボタンや、両耳通信技術の搭載が可能なものがある

◆おすすめできる人と選ぶ際の注意点

CICをおすすめできる人は以下のような方です。

  • 耳の形状の都合上IICが適さなかった方
  • 聴力レベルが適応聴力範囲内の方
  • 耳垂れなどがない方

こちらも、手先の器用さや視力に不安がある方、高度・重度難聴の方に向かない場合があります。購入の際は、認定補聴器技能者などの専門知識をもつ販売店スタッフに相談しましょう。

3.カナル|機能と操作性のバランスが良い耳あな型補聴器

カナルは標準的なサイズの耳あな型補聴器。IICやCICよりもやや大きく、機能と操作性のバランスがよいタイプです。主な特徴は以下の通りです。

補聴器の種類 特徴
ITC
3.カナル
・軽度から重度まで、さまざまな難聴レベルに対応できる器種を揃えている
・ある程度の目立たちにくさを保っている
・適度なサイズにより取り扱いしやすさも実現している
・適度な大きさがあるため音量調整ボタンやコネクティビティ(無線通信)などを搭載できる
・一回り大きい電池を使えるため、一つ当たりの使用可能時間が伸びて、電池交換の頻度が少なくなる

◆おすすめできる人と選ぶ際の注意点

カナルをおすすめできる人は以下のような方です。

  • 機能と操作性のバランスのよい補聴器を求めている方
  • 高度・重度難聴に対応できる耳あな型補聴器を求めている方
  • 耳あな型に操作性や機能性を求めている方
  • 耳垂れなどがない方

カナルも小さすぎるという方は、さらに大きいハーフサイズやフルサイズもあります。見本がある場合には、実際に触れてみて問題なく取り扱いができるかを確認してみましょう。

4.RITE|目立ちにくい耳かけ型補聴器

RITEは、従来の耳かけ型補聴器よりも小型で目立ちにくい補聴器です。スピーカーを搭載していない本体を耳の後ろに掛け、細いワイヤーで本体とつながったスピーカーを耳の中に装用します。

従来の耳かけ型よりも小型であるため目立ちにくいのが特徴です。その他の特徴は以下の通りです。

補聴器の種類 特徴
RITE
4.RITE
・スピーカーを耳の中に装用するため自然な音が聞こえやすい
・オーソドックスな耳かけ型よりも小型であるため目立ちにくい
・高度・重度難聴に対応できる器種がある
・髪色に合わせた控えめな色や華やかな色合いなどの豊富な器種が揃っている

◆おすすめできる人と選ぶ際の注意点

RITEをおすすめできる人は以下のような方です。

  • 耳かけ型で目立ちにくい補聴器を探している方
  • 自然な音を求めている方
  • 「髪色に合わせたい」「いろいろなデザインを楽しみたい」という方
  • 耳垂れなどがない方

こちらも小さい器種の場合はある程度の器用さが必要です。購入の前に触れてみて問題なく取り扱いができるか確認しましょう。

目立たない・見えにくい小型補聴器を選ぶ際の5つのポイント

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目立たない・見えにくい小型補聴器を選ぶ際の5つのポイントは以下の通りです。

  • 聴力レベルを確認する
  • 問題なく操作できるかを確かめる
  • 目立たない色を選ぶ
  • 閉塞感が気にならないか確認する
  • 湿った耳垢が出やすいタイプではないか確認する

それぞれの詳細を解説します。補聴器の基本的な選び方を知りたい方は「補聴器の選び方|主な5つの基準と試聴時に確認すべきポイントを解説」を参考にしてください。

1.聴力レベルを確認する

補聴器の選択において、聴力レベルを知ることが大切です。そのためまずは、耳鼻咽喉科を受診して聴力検査と診察を受けてください。その後、認定補聴器技能者などの専門知識をもつ人に相談し、ご自身にあった補聴器を選びましょう。

特に前述したようにIICやCICなどの補聴器は、高度・重度難聴に対応できない場合もあるため正確な聴力レベルを把握することは重要です。

専門家とのカウンセリングを有意義なものとするために、補聴器の基本的な特徴について予備知識を得ておくことも大切です。加えて「どのような環境や場面での使用を想定しているのか」などの相談内容も予め準備しておきましょう。

2.問題なく操作できるかを確かめる

IICやCICなどの小型補聴器は、非常に小さく操作に器用さが必要です。小型であるほどに電池も小さくなり交換の頻度も増えます。実際に手に取って以下の操作が問題なくできるかを確かめる必要があります。

  • 補聴器の付け外し
  • 電池の蓋の開閉
  • 電池の入れ替え

手先の器用さに不安はあるができるだけ目立たない補聴器を求めている場合は、RITEやハーフサイズ、フルサイズなどの種類が候補になるでしょう。

3.目立たない色を選ぶ

補聴器を目立たないようにするには、大きさだけでなく器種の色を肌や髪色に合わせる必要があります。目立ちにくい色を決める際は、以下を基準にすると良いでしょう。

補聴器の種類 目立ちにくい色
IIC・CIC・カナル 外側の見える部分を耳の影に合わせてダークカラーや深めのベージュなどにする。
RITE 髪の毛の色に合わせて黒や茶、シルバーなどにする。

実際に装用して髪や肌になじんでいるか確認するため、補聴器販売店へ家族や友人に付き添ってもらうのは一つの方法です。

4.閉塞感が気にならないか確認する

IICやCIC、カナルなどの耳あな型補聴器は、閉塞感により装用の習慣が定着せず挫折することがあります。そのため、閉塞感緩和のための調整やアドバイスを受けるため、購入した販売店へ定期的に通っていただくことをお勧めします。貸出しサービスがある場合には、色々な補聴器を試してみましょう。

閉塞感を軽減する耳かけ型もしくはRITEでのオープンフィッティングという装用方法もあります。オープンフィッティングとは、補聴器の耳せんなどに通気口を空けることで、装用時の閉塞感を軽減する方法です。

しかし、オープンフィッティングを行うと、ハウリングが起きやすくなる欠点があります。オープンフィッティングを要望する場合は、ハウリング抑制機能が搭載されている補聴器を検討しましょう。

5.湿った耳垢が出やすいタイプではないか確認する

耳垢には大きく分けて「乾性耳垢」と「湿性耳垢(ベタベタと湿った耳垢)」の2種類があり、これは遺伝的な要因によって決まります。湿性耳垢は粘り気があり、色も濃い傾向があります。一方、日本人の多くは乾性耳垢で、カサカサとした粉状の耳垢が一般的です。

湿った耳垢がある人はIICやCIC、カナル、RITEに向いていません。湿った耳垢は補聴器の故障の原因になるためです。そのような場合には、オーソドックスな耳かけ型補聴器に、耳の形に合わせたオーダーメイドの耳せん(イヤモールド)を装着して使用する方法があります。これにより、耳垢の影響を受けにくくして、補聴器を使用することができます。

耳鼻咽喉科で湿った耳垢のタイプであるかを診察してもらえます。聴力レベルを測定してもらう際に一緒に診てもらいましょう。

できるだけ周囲に気づかれたくない方は小型補聴器の検討を

夫妻

ほとんど目立たない・見えにくい補聴器を求めている方は、IICやCICがおすすめです。ただし、手先の器用さに不安がある方や高度・重度難聴の方、湿った耳垢の方には適さない場合があるため注意が必要です。

「IICやCICが小さすぎる」「高度・重度難聴であるが目立ちにくい補聴器を求めている」という方はカナルやRITEが候補になるでしょう。しかし、こちらも湿った耳垢の方には適さないため注意してください。

補聴器選びは、認定補聴器専門店や認定補聴器技能者が在籍する販売店で相談することが大切です。お近くで補聴器販売店をお探しの方は以下から検索してみてください。

\ ご相談は無料です/   認定補聴器専門店も検索可能

参考

一般社団法人 日本補聴器販売店協会 補聴器を購入する前に

一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 補聴器を使って快聴ライフ!使い始めるタイミングから選び方まで

  • 記事投稿者

    吉沢仁(よしざわひとし)

    吉沢仁(よしざわひとし)

    看護専門学校を卒業後、病棟看護師として従事する。2021年からWebライターの活動を開始。医療・健康分野を専門にしており、生活習慣病や精神疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、小児疾患などさまざまな分野で執筆経験がある。医療系の総執筆数は200本以上。現在は医療系メディアでSEOライティングを中心に対応中。

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