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防水タイプの補聴器の実際とは

  • 公開日:2018.08.07
補聴器 技術 ヒント
プールサイド

マリンスポーツやヨットセーリングなどを楽しむ際、シャワーを浴びる際など、うっかり補聴器を取り外すことを忘れてしまったりしたとき、防水補聴器があれば便利と思いますよね。実際のところ補聴器の防水機能(IPxxという等級の表記で表示されています)については少し注意が必要で、現在のところ完全防水の補聴器は市場には存在していません。とはいえ補聴器の多くが耐水性、日常防水性能を備えており、これはほとんどの補聴器ユーザーにとっては、十分な性能を備えていると考えられます。

防水機能の表記IPとは?

水滴

国際電気標準会議(IEC)という名称についておそらく多くの方々はあまりご存知でないかもしれませんが、塵・ほこりや水などの成分に対して製品の耐性がどの程度あるのかについて判断するために、現在ご使用中の補聴器についても、これらの評価試験が施されているかもしれません。

IECとは国際電気標準会議 (International Electrotechnical Commission)の略となり、IEC規格とは、IECが制定する国際規約を指しています。多くの補聴器メーカーでは現在防塵、防水の性能についてIEC60529に基づいた評価試験を行っています。IEC規格60529とは、「電気機械器具の外郭による保護等級」と訳され製品本体へ塵や水の侵入に対しどれだけ保護がなされているかを示し「IP 〇〇」のような数字2桁で表記されています。
IP(International Protection)保護等級2桁の最初の数字は、塵や砂など固形物に対する製品保護の程度を0~6で評価しています。2つ目の数字は、防水についての保護等級を1~8の尺度で評価します。これらの数字が大きくなるほど、保護を高めているということになります。 例えばIP 67と評価されている補聴器は、それが砂やほこりなどの固形物や水に対し高度に保護されていることを意味しています。

IP保護等級の評価にかかわらず、ほとんどの補聴器メーカーでは、水の中に補聴器を浸すことを勧めていません。実際、補聴器販売店などにといて補聴器専門家や専門スタッフから補聴器につての説明やカウンセリングを受ける際には、補聴器をいかに水や湿気などから守るかの説明が含まれます。水分や湿気は補聴器にとっては天敵の一つです。補聴器は適切なお手入れを行い、よく乾いた状態で装用いただくことでより長くお使いいただけます。

日常防水仕様の補聴器について

雨

もちろん、いつもとても丁寧に補聴器を扱っているという方でも、ついうっかりといったことは誰にでも起こります。IP保護等級を備えた製品を検討いただく理由がいくつかあります。

  • 汗をかきやすい。仕事や余暇を過ごされる際に顔に汗をかきやすいという方については、補聴器もおそらくほとんどの場合そうでない方々より湿気の問題にさらされています。
  • 湿度が高い環境にいる、ボートや釣りなど水辺の趣味を楽しんでいる
  • 日ごろうっかりしがち。補聴器ユーザーの方ではあまりにも補聴器になれてしまいつけていることを忘れてシャワーを浴びてしまったという方もいらっしゃいます。

補聴器をドライに保つことの重要性

日常防水補聴器を検討すべき項目は特に見当たらないという場合でも、可能な限り補聴器を清潔で乾燥した状態に保っていただくことは良いことです。いまお使いの補聴器をできるだけ長くお使いいただくためには毎日のお手入れも重要です。

  • シャワーを浴びる前や激しい雨などにより濡れてしまう恐れがある際は、補聴器を外してください
  • 補聴器をできるだけドライな状態に保つため、洗面所など湿気の多い場所に置きっぱなしにすることは避けましょう
  • 耳がぬれたり、汗をかいたりした時は、こまめに耳を拭きましょう
  • 一日の終わりの毎晩寝る前に、かわいた柔らかい布(メガネ用のクロスなどもお勧めです)補聴器全体を拭いてください
  • 翌朝まで、補聴器の電池ぶたは開けたままにしてください。日中補聴器についた水分などの蒸発を助けます
  • 装用後は、乾燥剤の入った乾燥ケースに入れて乾燥させていただくことをお勧めします。現在はUVライトなどを併用した電子式の補聴器専用の乾燥機などもあります。お買い上げの補聴器専門店などでお尋ねください

防水仕様に関する情報も含めてどのタイプの補聴器が最適なのかお悩みの場合は、補聴器販売店にご相談いただけます。補聴器販売店では、補聴器専門スタッフが可能な限り皆様のライフスタイルを伺って、現在の聴力、予算、そしてお客様ごとに異なる日常生活でのニーズに沿った製品を選ぶサポートをします。
先進の補聴器は非常に大きな技術革新によって大きく進化しています。完全な防水補聴器はないとしても、日常防水仕様の補聴器は日常生活のついうっかりとした状況に大きな安心となります。補聴器専門店についてはこちらからもお気軽にご相談いただけます。

日差し

■本記事について

本記事は米国Healthy Hearingにて掲載された記事を、一般的な情報提供を目的として意訳、また日本国内の事情に沿うように加筆再編成したものです。本記事のコピーライトはhealthyhearing.com及びheatlhyhearing.jpに帰属します。本記事内に掲載された名称は、それぞれ各社の商標または登録商標です。また、出典や参照元の情報に関する著作権は、healthy hearingが指定する執筆者または提供者に帰属します。

■英語版記事はこちらから

米国「Healthy Hearing」2018年4月12日の記事「The basics of waterproof hearing aids」(DebbyChan寄稿)
  • 記事投稿者

    ヘルシーヒアリング編集局

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