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年末年始の「定番の音」と聞こえで変わる「気持ち」の関係

  • 公開日:2017.12.20
生活
鐘

年末年始シーズンは年越しそばやおせち料理の準備、しめ飾りや門松を飾るなど、新年を迎える厳かな雰囲気が町を染めます。一方で聞こえに問題がある方にとって、この時期は特に「聞こえのむずかしさ」を感じる季節でもあります。この季節ならではの音や音楽と聞こえにどのような関係があるのか解説します。

大切な思い出の1曲が楽しめなくなることも…

ラジオやショッピングモールから流れてくる年末年始ならではの音楽や童謡、古くからの友人や親戚などの集まりで楽しむカラオケ、合唱団による第九の合唱、お正月の琴の調べなど、この季節に流れる曲の多くは、私たちにとって子どもの頃から親しみのある音色です。お気に入りの歌手が歌い上げる、この季節ならではのおなじみの1曲はありませんか?いまこの瞬間、その1曲を口ずさんでいる方もいるかもしれません。

今の季節を感じさせる曲たちは、あの年のクリスマス、大晦日、子どもの頃のお正月などの思い出をイッキによみがえらせてくれます。

しかし、難聴になると主に高い音の聞こえに影響が出ます。もし曲の旋律が聞こえてこなかったら、楽器の音が、ただ混じりあう音のつながりにしか聞こえてこなかったら…この季節ならではの楽しみは半減してしまうかもしれません。

特定の楽器、特にバイオリンやフルートなどが奏でる音楽は高い周波数であることが多く、聞こえに問題がある場合には聞き取りに困難をきたす場合があります。

皆で集まったときは、周囲の人がちょっとした心遣いを

帰省して家族で集まったり、遠く離れた家族や友人に電話をしたりと、この季節は集いの季節でもあります。家族や心を許した友人たちだけの静かな団らんで、1年の出来事を振り返りながらする会話は、楽しいひと時にさらに彩りを添えます。

しかし、ここで想像してみてください。

子どもたちがお年玉を手に握りしめながらお礼を伝えているその声が、もし耳にはっきり届かないとしたら…。聞こえに問題があると、パーティなどで会話を逃したり、家族の話を聞き逃したり、せっかくの友人との久しぶりの会話が弾まないことも起こりえます。

多くの人にとって楽しさを感じる季節だからこそ、会話についていくのが困難な場合はそれがストレスや孤独感となり、気持ちを落ち込ませてしまうことにもつながるのです。

皆で楽しい時間を過ごすためには、周囲の方の聞こえへのやさしい心遣いが大切です。たとえば、騒音を避けて静かなところで話をする、日中は窓のそばの明るいところで会話する、相手の顔を見ながらゆっくりと話をする、伝わりにくいときは言葉を言い換えてみるなど。これらは難聴の方だけでなく、誰にとっても伝わりやすいやさしいコミュニケーションです。

お気に入りの映画を楽しむ時は音量を抑えめに

皆さんにもお気に入りの映画作品があると思います。年末年始にはどうしてもこれを観てしまう!という作品があるかもしれません。往年の銀幕スター(美しい響きのことばですね!)の出演するあの作品、またはスターウォーズしかないという方もいるかもしれません。

特に長い間にわたってお気に入りの作品は、文字通り毎年、何回見ても見飽きることはありません。でも、もしお気に入りのセリフがいつもの声音で聞こえてこなかったら、心ゆくまでその映画を楽しめない可能性もあります。

お気に入りの映画を長く楽しむためにも、1人で、または皆と一緒に映画やテレビを楽しむときは、音量を大きくし過ぎないよう、いつもより少しだけ気をつけてみてください。

除夜の鐘と大晦日のカウントダウン

いよいよ年が暮れるときにどこからか響いてくる鐘の音。この季節を最も象徴する音の1つが除夜の鐘です。有名な寺院の鐘の音、近所の小さなお寺から届いてくる鐘の音…この音を聞くために、または直接鐘を鳴らしにいくために、眠い目をこすって起きている子どもたちもいます。

除夜の鐘には、去り行く年を忘れ、新しい年を健やかに迎えるための願いが込められています。本来なら聞こえてくるはずの除夜の鐘が耳に届かないことは、心を新たにする機会が少し遠のいてしまうことにもなりかねません。

海外では伝統的に、大晦日の夜はラジオやテレビの音にあわせ、年の終りと新しい年の訪れを祝います。米国ニューヨークのタイムズスクエアの賑わいをご覧になったことがある方もいるかもしれません。そこでは声を合わせて「3…2…1…Happy New Year!(新年おめでとう)」と言い合い、おなじみの曲「Auld Lang Syne(蛍の光)」を合唱して新年をにぎやかに祝います。

こうしたこの季節ならではの音色に、ぜひ耳を傾けてみてください。聞こえをつかさどっているのは耳ではなく脳です。聞こえは一人ひとりの経験や記憶と大きく結びついており、同じ音であっても、実はその人その人で聞こえ方が異なるのです。

もしおなじみの音がいつもと少し違って聞こえた場合は、ぜひ一度、お近くの耳鼻医へご相談ください。定期的に聞こえをチェックすることが、より良い聞こえや耳の健康につながります。


出典:米国「Healthy Hearing」2015年12月7日の記事「H Top five sounds of the holiday season」(Lisa Packer寄稿)

※本記事は米国Healthy Hearingにて掲載された記事を、一般的な情報提供を目的として意訳、また日本国内の事情に沿うように加筆再編成したものです。本記事のコピーライトは healthyhearing.comに帰属します。本記事内に掲載された名称は、それぞれ各社の商標または登録商標です。また、出典や参照元の情報に関する著作権は、healthy hearingが指定する執筆者または提供者に帰属します。

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    ヘルシーヒアリング編集局

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