2018.12.17公開

ヘッドホンを補聴器と一緒に使いたいと思ったら

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近年の補聴器技術の進歩により、何百万の人々が難聴にとらわれることなく好きな音を聞き、大好きな人々の会話を楽しんでいます。
技術革新によって、スマートフォンやテレビなどの個人個人で楽しむ電子機器との接続が可能となりました。一方でヘッドホンやイヤホンと一緒に補聴器を使用する場合には、補聴器のタイプなどによって適した組み合わせを見つけるのはやや困難になる場合があります。

どのようなヘッドホンが補聴器と共に使えるのでしょうか?

今日店頭にはさまざまなヘッドホンが並んでいます。補聴器と組み合わせて使用する場合における親和性が高いヘッドホンとはどのような製品でしょうか?
補聴器を現在ご使用中の方では、お持ちの補聴器のタイプによっても選択肢は異なります。補聴器専門家とお話しいただく前に、考慮いただくべき情報をいくつかご案内いたします。

耳あな型(ITE)タイプの補聴器を装用している場合

耳穴、つまり外耳道にフィットする耳あな型の補聴器をご使用中の方では、ご自身の耳にフィットするヘッドホン探しにおいて、他のタイプの補聴器をご使用中の方と比較すると問題は少ないといえます。

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  • IIC(アイアイシー)補聴器は外からはつけていることがわからない補聴器です。
    CIC(シーアイシー)補聴器は少しサイズが大きくなりますが、ともに、市場でもっとも小さなタイプの補聴器です。外耳道の中に納まり、ほかのタイプの補聴器よりも目立ちません。IICやCICは、通常、軽度または中程度の難聴の方に向けたタイプの補聴器です。
     
  • カナル(ITC)補聴器とは、一般に標準的サイズの耳あな型補聴器です。耳の下部のふくらみの部分に収まります。よりよい聞こえに加えて、操作性の面でも使いやすいタイプです。 IICやCICよりもサイズがやや大きいため、その分サイズを一つ上げた電池を使用するなど電池寿命も長くなり、また幅広くさまざまな聴力のユーザーに対処できます。
     
  • ハーフ、フルサイズといった耳あな型補聴器は、耳の下半分を覆うハーフ(またはハーフシェル)というデザインから耳のほぼ全体を満たすフルサイズのものまで、サイズが異なります。製品サイズが大きいことで操作性が高くなります。多くの場合ヘッドホンとの併用を検討いただけます。

参考:補聴器のタイプとスタイルを知る

ここでご紹介した耳あな型タイプの補聴器はいずれも耳のくぼみか外耳道内に収まるため、通常は、オン・イヤー・ヘッドホンと一緒に使用することができます。IIC補聴器をご使用の方では、イヤホンを使用することさえ可能かもしれません。

耳の後ろにかける耳かけ型(BTE)タイプの補聴器を装用している場合

耳かけ型(BTEまたはビーティ―イー)またはRITE(ライト、リックまたは外耳道内レシーバー)補聴器をご使用の方々では、オーバーイヤー(アラウンドイヤー)型ヘッドホンが最良の選択肢となるかもしれません。

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  • 耳かけ(BTE)補聴器は、ごく細いチューブを備えたミニタイプから、高度重度難聴に対処するためにイヤモールドと呼ばれるイヤピースを使うタイプまでさまざまです。ユーザーの聴力によっても補聴器本体のサイズが変わってきます。
     
  • ライト(TITE)型補聴器は、補聴器の本体の中ではなく、音の出口となるスピーカーを内蔵したイヤピースを耳穴の中に入れることで鼓膜のそばで音を届ける補聴器です。補聴器本体のサイズは小さくスマートなデザインも多いタイプです。

参考:補聴器のタイプとスタイルを知る

これら耳にかけるタイプの補聴器とヘッドホンを組み合わせて使用する場合は、耳の後ろにある補聴器のマイクにぴったりと合うモデルを選択いただくことが必要です。
完全にフィットしない場合、補聴器はヘッドホンからの音声ではなく、外部の環境音なども一緒に拾うことになります。したがって、耳かけ型補聴器を装用した耳にしっくりと合ったヘッドホンを見つけていただくためには、さまざまなモデルのオーディオ機器をお試しいただく必要があるかもしれません。
製品選びのポイントは、ヘッドホンのスピーカーと補聴器のマイクの距離が十分かどうかを確認いただくことです。あまりに近いと補聴器がハウリング(不快なピーピー音の発生)してしまうかもしれません。一方であまり距離が離れるとオーディオ機器からの音が拾えない場合もあり、かなり難しい課題となる場合もあります。

補聴器とヘッドホンを組み合わせてお使いいただく際、より快適な聞こえのためにまだ工夫いただけることがあります。
通常の補聴器は、特定の環境に合わせた聞こえを実現する補聴器プログラムの設定が可能です。しかしながら、音楽鑑賞やオーディオブックを楽しむ時には、会話(スピーチ)を強調するプログラムは最適なプログラムではないかもしれません。どの補聴器プログラムが音楽鑑賞に向いているか、また補聴器のプログラムの設定方法や切り替え方法についてはメーカー、製品によっても異なります。
補聴器プログラムについては、お買い上げの補聴器販売店へご相談ください。

最後にもう一つだけお伝えしたいことがあります。
騒音による聴力低下を防ぐため、補聴器と併せてのご使用にかかわらずヘッドホンやイヤホンを使用する際は、「80/90の原則」を心がけてください。これはオーディオ機器の音量は最大音量の80%以下で使用いただくこと、そして音響機器を使用した聴取時間は1日90分程度に抑えるというものです(補聴器単体での装用時間は除く)。
米国疾病管理センターでは、これよりもさらに厳格な「60/60ルール」を推奨しています。これはすなわち、オーディオ機器について最大音量の60%まで音量を下げ、そしてこれらの器機による使用時間の合計を1日60分程度に抑えるというものです。どうかこのようなアドバイスに耳を傾けていただき、現在の聞こえを大切にされ、音楽などの素晴らしい聞こえの世界を楽しんでいただけますように。

いつもと聞こえが違うと感じたら迷わずに耳鼻科医を受診ください。また、補聴器の聞こえやお手入れに関してはお買い上げの補聴器販売店へご相談いただけます。
もし先進の補聴器などについての情報をお探しの場合はヘルシーヒアリングへもご相談いただけます。

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ヘルシーヒアリングジャパン編集局


■本記事について

本記事は米国Healthy Hearingにて掲載された記事を、一般的な情報提供を目的として意訳、また日本国内の事情に沿うように加筆再編成したものです。本記事のコピーライトはhealthyhearing.com及びheatlhyhearing.jpに帰属します。本記事内に掲載された名称は、それぞれ各社の商標または登録商標です。また、出典や参照元の情報に関する著作権は、healthy hearingが指定する執筆者または提供者に帰属します。

 

■英語版記事はこちらから

米国「HealthyHearing」2018年10月24日の記事「Using headphones with hearing aids」