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耳鳴りに悩む人のための旅行の10のヒント

  • 公開日:2022.03.02
耳鳴り
3人の女性

いつかコロナ禍が開けたら旅行に出かけたいと思っている、あるいは計画を考えている方もいらっしゃると思います。旅行中に体調が悪いと楽しみが半減ですから、出発までに体調を整えておくというコツがありますが、これは裏を返せば、持病のある方にとってみれば、一抹の不安を抱えながら旅行に臨んでいることになります。もし事前の準備で不安をなるべく緩和することができれば、思いっきり楽しむことができますね。今回は耳鳴りを抱えた方が旅行する際のヒントです。

 

耳障りな耳鳴りに悩む人にとっては、車での長旅や長時間のフライトなど、かつては支障なく行えた日常的な移動が大きな課題になります。

陸路、空路、海路を問わず旅行に伴うさまざまな側面は、耳鳴りを悪化させたり、道中で不必要な困難を引き起こしたりします。時差ぼけや大きな音、機内の気圧変化から、空港や高速道路のサービスエリアで利用できる食事の選択に至るまで、耳鳴りに悩む人にとっては旅行はさまざまな障害をはらんでいます。

幸いなことに、ちょっとした事前の計画と適切なツールや対処法があれば、旅行にまつわる一般的な問題の多くを回避することができます。

耳鳴りに悩む人に役立つ10の旅行のヒントを紹介します。

1.耳鳴りが起きた時の緊急の対処法を準備する

最善の努力をしたとしても、すべてが完璧な旅行になるとは限りません。物事がうまくいかないこともあれば、自分のコントロールが及ばないところで計画が頓挫することもあります。耳鳴りに悩む人にとって、ストレスを感じる突発的な出来事は、思いがけない耳鳴りの引き金となり、楽しい旅行が台無しになってしまいかねません。

幸いなことに、ちょっとした計画を立てるだけでも大きな効果があります。耳鳴りの音量、音、強さ、あるいは感情的な反応の増加などは、さまざまな理由で発生する可能性があります。耳鳴りの原因は特定できる場合とできない場合がありますが、いずれにせよ、耳鳴りに悩む多くの人が、その突発的な発生を定期的に経験しています。

ひどい耳鳴りによって引き起こされる感情的な反応は、心理的疲弊を招きます。往々にして恐怖や不安のレベルが急速に上昇し、普段の対処法がうまく機能しなくなってしまう場合もあります。

最善の方法は、耳鳴りの兆候を感じた際の心理について自分自身を教育し、旅行中に耳鳴りが発生した場合にすぐに実践できる対処法を考えておくことです。耳鳴りが最初に発生したときにできるだけ早く実践できる対処法や、家族や友人にフォローしてもらうための手順をリストに書き出します。そして最も重要なことは、いつ発生するかわからない耳鳴りに対して、このリストを常に手元に置いておくことです。

耳鳴りがしているときは、音量を下げることはできませんが、リラックスし、落ち着いて、快適に過ごせるように努めることは可能です。耳鳴りから注意を逸らすために背景音を大きくしたり、気を紛らわせるために何かしらの行動を起こすことはできるでしょう。耳鳴りができるだけ早く鳴り止むように、できるだけ気持ちを落ち着かせることが大切です。

2.時差ぼけの影響を最小限に抑える

時差ぼけは、一時的ではあるもののストレスになり得る問題です。体内にはサーカディアンリズムと呼ばれる昼夜の周期があり、突然新しいタイムゾーンに入っても、サーカディアンリズムは元のタイムゾーンと同期しています。その結果、多くの人が不眠、疲労、集中力の低下、気分の変化、胃の不調、全身のだるさなど、さまざまな一時的症状を経験します。時差ぼけやそれに伴う症状があると、耳鳴りが激しくなったり、対処が難しくなったりします。

幸いなことに、時差ぼけの影響を最小限に抑える方法があります。メラトニンを服用して、サーカディアンリズムをリセットすることができますが、新しいサプリメントや医薬品を試す前には、必ず医師に相談してください。

メラトニンは脳内で分泌されるホルモンで、就寝時間を体に伝えます。メラトニンはほとんどの国で市販 (または処方薬) の睡眠補助薬としても入手でき、新しい時間帯に合わせた就寝時間に服用すると、眠りにつきやすくなるだけでなく、新しい時間帯により早くサーカディアンリズムを同調させることで時差ぼけを緩和するのに役立ちます。

3.飛行中や高地での車の運転中は気圧調整機能付きの耳栓を使用

耳栓

飛行機に乗ったことがある人や、山でのドライブをしたことがある人なら、標高の急激な変化が耳に影響を及ぼすことを知っているはずです。飛行機に乗ることによる耳の痛みはよく見受けられます

飛行機の客室は、通常およそ海抜1800〜2400メートルまで加圧されていますが、山道ではさらに高いところまで行くことが可能です。スタート地点(開始標高)によっては、気圧が急激かつ急速に変化する場合があります。

耳の中の気圧は外界の気圧ほど高速に変化できません。そのため、急激な気圧変化にさらされると、耳が詰まるような感じや痛みがよく起こります。

耳が気圧や高度の変化に敏感な場合は、これが引き金となり耳鳴りの発生に大きな影響を与える可能性があります。

(春季の雷雨のような天候の変化も耳鳴りに影響したりすることがあります!)

こうした問題の解決策として、手軽に購入できて特殊なフィルターを用いて圧力を徐々に調整できる耳栓を使用することがあげられます。

4.騒音環境で耳を保護することに努める

誰もが常に大きな音から耳を保護するべきですが、耳鳴りのある場合には特に重要です。音が大きすぎると永続的な難聴になり、耳鳴りが悪化することがあります。大きな音にさらされることは、ほぼすべての人に耳鳴りを引き起こす数少ない誘因のひとつです。音の大きい環境にいることがわかっている場合は、耳栓を持参するなど事前に準備をすることが大切です。しかし、旅行中には、予期していなかったような騒がしい環境に突然遭遇することもあります。

旅行中は常に2つの耳栓を携帯しておくのが最善の方法です。1つは非常にうるさい環境で使用するための通常のスポンジ素材またはシリコン製の耳栓で、もう1つは音量を下げても音楽や会話が明瞭に聞こえる高性能のミュージシャン用の耳栓です。こうすれば、予期せぬ状況に遭遇した時にもうまく対処することができるでしょう。この方法では、準備ができていないことに気づかれることはありません。

また、自分の耳にぴったりフィットするオーダーメイドの耳栓を補聴器販売店などで購入することも可能です。

5.機内や車内に食べ物やスナックを携帯する

ほとんどの空港や主要なサービスエリアで利用できる食事は、ジャンクフード(高カロリー、高塩分、高脂肪など、栄養バランスを著しく欠いた食品)やファーストフードが多い傾向にあります。そのため、普段の食事内容を維持することが難しくなってしまう場合もあるでしょう。常に食事内容によって耳鳴りが誘発されるわけではありませんが、耳鳴りの兆候をもたらす可能性のある一般的な食品や栄養素は数多くあります。とりわけ食事内容による耳鳴りの誘発については心配がない場合でも、普段から健康的な食事に慣れていてファーストフードやジャンクフードを摂取すると体にも負担がかかり、ただでさえストレスを感じる旅行中にさらに余計な心理的ストレスを与える原因にもなります。

簡単な解決策として、普段から摂取している食べ物やスナックを携帯すると安心でしょう。車での移動ではもちろんですが、空港のセキュリティチェックでも食べ物の持ち込みが可能であることを知らない人もいるかもしれません。検疫法は国によって異なるため、海外旅行では食べ物の持ち込みに制限があり、特定の果物、植物、野菜を持ち込むことはできません。しかし、原則として、空港のセキュリティチェックでも食べ物を持ち込めることを覚えておくと良いでしょう。

6.地元の食料品店に立ち寄る

ナッツ

目的地に着いたら、地元の食料品店に立ち寄って、旅行期間中に食べられる健康的な食品やスナックを追加購入するというのも、食事に関する耳鳴りの回避に役立つ方法の一つです。旅行中に絶対に避けたいのは、健康に良くない食事や軽食を摂ることによって耳鳴りを誘発することです。ホテル室内には簡単な飲食物が用意されていることがありますが、ホテルのロビーにある小さなコンビニでさえ、品揃えはさほど変わりません。地元の食料品店で健康的なスナックや食品を購入しておけば、こうした状況は簡単に回避できます。

特別なアドバイス:減塩食や低炭水化物食など、特別な食習慣によって耳鳴りの誘発を回避している場合には、自然派やオーガニック食料品店などに行くと食習慣にあった食品が見つかるでしょう。

7.レストランメニューを事前にチェックする

目的地によっては、旅行中に特定の食事を維持するのが難しいことがあります。特にレストランで食事をする場合がこれに当たります。私がメニエール病と診断されて間もない頃、耳鳴りが一番うるさく感じられた時には、レストランでの食事は旅行するたびに大きなチャレンジでした。当時、私は厳しい減塩食を続けていたので、ほとんどのレストランで食事をすることができませんでした。特に家族や友人との旅行では、食事をする場所を見つけることは、私にとって大きなストレスになりました。

この問題を完全に解決する簡単な解決策を幸い見つけることができました。旅行の前には必ずオンラインでメニューを調べて、自分の減塩食に一番合うレストランを見つけ、事前に予約をしておきます。予約はしておくものの、旅行中に興味を引く新しいレストランを見つけることができれば、直前で計画を変更することもあります。自分にとって安心なレストランを予約しておくことで、旅行をより楽しむことができるようになります。

追加情報:ビジネスホテルではなく、キッチン付きの施設に泊まると、自分で食事を作ることもできます。

8.休息とリラックスの時間を設ける

旅行中は、耳鳴りやストレス管理に役立つ普段の健康習慣を守れなくなってしまうものです。ストレスは耳鳴りを引き起こす大きな要因のひとつです。旅行の多くは楽しくリラックスできるものですが、小さなストレス要因はすぐに積み重なってしまうものです。旅行の性質や同伴者にかかわらず、常に自分自身のケアを優先し、できる限り休養やリラックスができる時間を確保しましょう。特に旅行前から耳鳴りに悩まされていた場合は、このことは非常に重要です。旅行のストレスが加わると、耳鳴りがひどくなり、心から楽しめない場面も出てきてしまいますが、途中で休憩とリラックスできる時間を設けることで、ストレスを防ぐことができます。

9.常備薬や備品を常に手元に置いておく

薬

旅行中にはうまくいかないことがたくさんあります。空港では、自分には起こらないと思っていても荷物を紛失したり、計画は思い通りに進まず、予期せぬ問題が発生したりするものです。原則として、重要な薬、サプリメント、耳鳴り関連の備品などは、空港で預ける荷物やスーツケースには入れないでください。旅行先で、普段から常飲している薬やサプリメントを摂取できない状況は絶対に避けたいものです。大切な薬や備品は常に手元に置いておくことをお勧めします。

10.睡眠を優先する

アイマスク

睡眠不足も耳鳴りを悪化させる大きな要因のひとつです。耳鳴りはそもそも入眠を阻害し、眠れないことにより耳鳴りがさらに悪化するという悪循環を引き起こすので、とてもやっかいな問題です。

さらに悪いことに、旅行中には寝付きが悪くなることがあります。例えば、慣れない場所で眠るときには、研究によると、最初の数日は脳の左側が警戒している状態であることが指摘されています。これは先史時代には生存のために必要でしたが、現代社会においては、新しい環境で最初の数日間の睡眠が阻害されてしまうことになるのです。

最善の対処法は、旅行中にもできるだけ睡眠習慣を優先し逸脱しないことです。普段と同じ時間に就寝・起床し、良質な睡眠を得るための安眠グッズを旅先にも持っていくことです。アイマスク、サウンドマシン(睡眠誘導音)、耳鳴りから注意を逸らすBluetooth対応スピーカー、本などの睡眠前のリラクゼーショングッズや耳栓などが役立ちます。可能なら、自分の枕を持ち込むことも大いに役立ちます。

■本記事について

本記事は米国Healthy Hearingにて掲載された記事を、一般的な情報提供を目的として意訳、また日本国内の事情に沿うように加筆再編成したものです。本記事のコピーライトはhealthyhearing.com及びheatlhyhearing.jpに帰属します。本記事内に掲載された名称は、それぞれ各社の商標または登録商標です。また、出典や参照元の情報に関する著作権は、healthy hearingが指定する執筆者または提供者に帰属します

■英語版記事はこちらから

米国「HealthyHearing」2021年12月14日の記事「Ten travel tips for people with tinnitus」(Glenn Schweitzer 寄稿)

https://www.healthyhearing.com/report/53280-Traveling-with-tinnitus-tips

  • 記事投稿者

    ヘルシーヒアリング編集局

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  • 記事監修者

    田中ちえみ

    田中 智英巳

    デマント・ジャパン株式会社 アドバンスト・オーディオロジー・センター・センター長、ハワイ大学マノア校 Adjunct assistant professor, 静岡県立総合病院 客員研究員、ASHA認定オーディオロジスト、ハワイ州オーディオロジスト。■詳しいプロフィールを見る■

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