初めて補聴器を購入して装用し始めた人たちは、ユーモラスな音、迷惑な音、重要な音、そして単に楽しい音など、再び聞こえるようになる多様な音に驚き感心します。みんなでみんなの疑問を解決する海外のQ&Aコミュニティでも、新しい音の世界については人気のあるトピックです。特に興味深いものをいくつかピックアップしてご紹介します。
個人の安全を向上させる音
Q&Aコミュニティでは、補聴器の装用によってふたたび聞こえるようになった意外な音に身の安全を守るための音として、車のウインカーの音と誰かが後ろを歩いている音をあげています。「補聴器は人生を変え、身の安全を守ってくれるものです!自転車に乗っているとき、後ろから車が近づいてくる音が聞こえるようになりました」との書き込みも確認できます。
他にも安全のための色々な音が挙げられていました。
- 換気扇の「ブーン」「シュー」といった音
- 水が蛇口から滴り落ちる音
- パソコンが過熱しているときに発するファンの「ウィーン」という音
- 床やドアのきしみ
- 時計の針の音
- 開けっ放しの窓で紙がカサカサと音を立てている
- 掃除機の中に詰まったものからカチャカチャ音
「こんなにも多くの音に再び出会えるとはなんて素晴らしいことだろう」と、補聴器を装用して3時間の人からのコメントがありました。
人生を楽しくする音
実用的な側面については以上です。続いては、人生をより生き生きと感じさせるような音についてです。
「ベーコンが焼けるジューという音や、野菜を刻むときのザクザク音など、今でも聞くと笑顔になります」
音楽についてのコメントも多くありました。
- 「ギターの弦を弾く指先の音が聞こえる。チェンバロの音が聞こえる」
- 「ヴァイオリンの美しい旋律が聞こえてきて、いつもよりずっといい音がしたので、補聴器をミュートにして比較してみました。この曲のヴァイオリンの旋律は完全に失われてしまいました」
- 「私は23歳で、2年前に補聴器を手に入れました。私はミュージシャンですが、なんてこった、音楽は再び素晴らしい音に聞こえます!」
母なる自然の音に夢中になったというコメントがありました。
- 「足元で木の葉や草のザクザクという音がする。外を歩いているとき、時々1分だけ補聴器の電源を切って、再び電源を入れると、歌っている生き物がいる魔法の森にいるような気分になります(笑)」
- 「最初に気づいたのは、そこにいることすら忘れていた鳥たちの声でした。」
- 「再び世界とつながることができて、素晴らしい気分です。私にとっては、数年ぶりに春の鳥が心を込めて歌う声を聞きました。」
新しい補聴器に慣れるには時間がかかります
補聴器を装用してはじめのうちは、新しい音の数々に圧倒される可能性があります。まずは耳鼻咽喉科の専門医による適切な聴力の評価を受けることが大切で、その上で『聞こえの程度に応じた補聴器の選択』、『聞こえの状態やライフスタイルに合わせたフィッティング(補聴器の調整)』、『補聴器に慣れるためのリハビリテーション』を通じて、よりよい聞こえを得られることが期待できます。
補聴器を長時間装用した人ほど、適応が早くなる傾向があります。
最初のうちは音量を低く抑え、フォローアップのたびに、音量を上げてもらうことで徐々に慣れていくこともできます。また、音量を自分で上げたり下げたりすることができる機能を持つ補聴器もあります。
また、聞こえの回復だけでなく、補聴器を装用して本当によかった点として、「言葉を聞き返す必要がない」と多くの方が口にしています。
補聴器を検討するにあたっては、難聴や補聴器について専門知識をもつ補聴器相談医を受診し、補聴器販売店にて専門的なサポートを受けることがおすすめです。購入前の無料レンタルも活用を検討してみてください。
■英語版記事はこちらから
米国「HealthyHearing」2024年5月15日の記事「Hearing aid users share the surprising sounds they can now hear」(Joy Victory 寄稿)
https://www.healthyhearing.com/report/53562-Surprising-sounds-you-can-hear-with-new-hearing-aids
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記事投稿者
ヘルシーヒアリング編集局
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