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音の大きさの単位「dB(デシベル)」ってなに?

  • 公開日:2017.10.03
聞こえの雑学
VUメーター

騒音の大きさを表現するときなどに使われる「dB(デシベル)」という音の単位。聞いたことはあっても、その数字が何であるのか、どのように音を数字で表すのかとなると、なかなか理解するのが難しいもの。音について知っておくと、耳や聞こえのことをより理解しやすくなります。そこで今回はデシベルの意味と聴力との関係をご紹介します。

「デシベル」は電話を発明したアレキサンダー・グラハム・ベルの名前から由来

グラハム・ベル

日常的な音の大部分は、空気や物質を振動させることによって生まれます。音は1秒間におよそ340mの速さで進み(摂氏15度の時)、空気(物質)の振幅や振動数などの差によってそれぞれ異なる音として知覚されます。振動数が多いほど高い音になります。振幅が大きいほど大きな音になります。

健康な聴力を持った若い方であれば、1秒間に約20回振動する低い音(20ヘルツ)から、1秒間に約2万回振動する高い音(20,000ヘルツ)までの音を感じとることができます。

音には高さの他に、大きさや強さ、音色などの要素があり、「dB(デシベル)」は音の大きさや強さを表す単位としてよく使われます。実は、「デシベル」は電話の発明者であるアレキサンダー・グラハム・ベルの名前から由来しています。「デシベル」の数値が高いほど大きな音となります。

以下はさまざまな音をデシベルで表したものです。

単位:dB 音の種類
180 ロケットの発射音
140 飛行機のジェット・エンジン
115 ロック・コンサート
100 鉄道高架下の音
90 芝刈り機
80 電車の車内、バイクの走行音
70 掃除機の音、ヘアドライヤー
60 日常生活での一般的な会話
30 ささやき声
0 人間の耳が感知できる最小の音

85 dB以上の大きさの音を継続的に聞いていると、難聴など聞こえのトラブルが起こりやすくなると、専門家の多くは指摘しています。騒音に長時間さらされ続けたり、騒音の音源に近づいたりすることによって難聴のリスクが高まるので注意しましょう。

さまざまな種類の「デシベル」について

人の聴力の単位は「dBHL(ディービー・エイチ・エル)」

実はデシベルにはいくつかの種類があります。聴力の測定などに用いられる場合は「dB HL(ディービー・エイチ・エル)」という単位を使用します。HLはヒアリング・レベルの略で聴力レベルを意味しています。この単位は、私たちがどれくらいの大きさで音を聞いているのかを表します。「0 dBHL」は「若くて健康な人が聞くことができる最も小さい音」を意味します。

たとえば「20 dBHL」は、「0 dBHL(若くて健康な人が聞くことができる最も小さい音)の10倍の音量」ということを表しています。聴力検査ではその人が聞くことができる一番小さい音(聴力閾値)をdBHLの単位を使い測定し、いろいろな音の高さごとに閾値を測定します。この閾値の数字が大きくなればなるほど、大きな音でないと聞き取ることができないということを意味し、難聴の程度が高いということを示唆しています。

聴力検査をした時、聴力閾値が25 dBHL 以下ならば健聴ということができます。26〜40 dBHLは軽度難聴、41〜55 dBHLは中等度難聴、56~70 dBHLはやや高度難聴で、71〜90 dBHLは高度難聴、そして91 dBHL以上は重度難聴とされます(世界保健機構WHOの基準による)。一般的に、41dB以上になると補聴器のサポートが必要な聴力レベルになります。

補聴器の音量の単位は「dBSPL(ディービー・エス・ピー・エル)」

そして難聴があることが分かり補聴器が必要になった場合、補聴器の音量の調整に使われる音響の単位は「dBSPL(ディービー・エス・ピー・エル)」という単位が使われます。「SPL」は「サウンド・プレッシャー・レベル」の略で、物理的に測定した音圧レベルを表します。

さまざまな種類のデシベルがあるということを初めて知ったという方も少なくないのではないでしょうか。デシベルは騒音を表す単位というだけでなく、人の聞こえとも深い関連がある単位なのです。

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    ヘルシーヒアリング編集局

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