「補聴器の寿命はどれくらい?」 「寿命や故障が疑われる症状を知りたい」
補聴器の寿命(耐用年数)は約5年です。しかし、実際には補聴器のスタイルや使用環境、メンテナンスの頻度などによって変動します。
補聴器の寿命の詳細をはじめとして以下について解説します。
- 寿命または故障が疑われる症状
- 保証期間について
- 空気電池と充電式バッテリーの寿命について
- 寿命をできるだけ長くする方法
寿命または故障が疑われる症状をチェックリストにして解説しています。「補聴器の調子がおかしい」という方は、ぜひ参考にしてください。
補聴器の寿命(耐用年数)は約5年

一般的な補聴器の寿命は約5年と言われています。法的な耐用年数も5年と設定されています。耐用年数とは、一般的な使用環境によって、補聴器を修理しても使用できなくなるまでを想定した年数のことです。
実際には使用環境やメンテナンスの頻度などによって、5年以上にも5年以下にもなります。JapanTrakの調査報告(2025)においても、補聴器の買い換え時期の中央値は5年と報告があります。
長年利用しており何らかの不具合が出ている場合は、専門スタッフが在籍する補聴器販売店などに相談しましょう。
出典:厚生労働省 補装具の種目、購入等に要する費用の額の算定等に関する基準出典:一般社団法人 日本補聴器工業会 JapanTrak 2025 調査報告
補聴器の寿命または故障が疑われる症状【チェックリスト】
以下のような症状が出ている場合は、補聴器の寿命または故障が疑われます。
チェックリスト
- 音が聞こえたり聞こえなかったりする
- 電源を入れると雑音が聞こえる
- 空気電池を交換しても音が聞こえない
- 以前よりも音が小さくなった
- ハウリングが鳴り続ける
- 音量の調整ができない
- 装用すると耳が痛い
これらの症状が現れていても、補聴器が寿命であるかどうかは一概に判断できません。修理をしても、もとの聞こえに戻らなければ寿命の可能性があります。まずは補聴器販売店に補聴器を持参することをおすすめします。
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補聴器の保証期間について
補聴器の保証期間は補聴器販売店やメーカーによって異なります。一般的に1〜3年の保証期間が設けられているケースが多いです。補聴器の購入時に保証内容や無料修理の期間とその条件を確認してください。
また、以下のような条件に該当する場合は、有料修理になる場合があるため注意してください。
- 誤った使用方法
- 保証書の紛失
- 指定外の電圧による故障
- 地震や水害、落雷による故障
- 個人による修理や改造
- 購入後の落下による損傷
有料修理になってしまう条件も確認しておきましょう。
補聴器の空気電池や充電式バッテリー寿命について

空気電池の寿命は、補聴器のスタイルや空気電池の種類などによって異なります。ここからは、補聴器の空気電池や充電式バッテリーの寿命について解説します。
使い捨て空気電池
オーティコンの総合カタログ(2025)を参考にすると、使い捨て電池の寿命の目安は以下のようになります。
| スタイル | 使用空気電池 | 電池寿命(時間) |
|---|---|---|
| 耳かけ型(BTE) | 312(PR41) | 90 |
| 耳かけ型(BTE) | 13(PR48) | 125〜160 |
| 耳かけ型(BTE) | 675(PR44) | 160 |
| 耳かけ型(RITE) | 312(PR41) | 75〜115 |
| 耳あな型(IIC) | 10A(PR536) | 45〜65 |
| 耳あな型(CIC) | 10A(PR536) | 50〜65 |
| 耳あな型(カナル・ハーフ・フル) | 312(PR41) | 75〜90 |
空気電池の寿命は、補聴器の出力や使用環境などによっても異なります。上記の表の時間はあくまでも目安としてください。
充電式バッテリー
充電式バッテリーの1度の充電で使用できる時間は、補聴器の出力や使用環境によって異なります。
オーティコンの総合カタログを参考にすると以下の通りです。
| スタイル | 1度の充電で使用できる時間 |
|---|---|
| 耳かけ型(BTE) | 20〜24 |
| 耳かけ型(RITE) | 24 |
なお、充電式バッテリーは、使用回数を重ねると少しずつ性能が落ちていきます。充電式バッテリーの交換は「1日持たなくなったら」を目安にすると良いでしょう。同じタイミングでメンテナンスを依頼すると効率的です。
補聴器の寿命をできるだけ長くする4つの方法

補聴器の寿命をできるだけ長くする主な方法は以下の通りです。
- 毎日自分で簡単なお手入れをする
- 定期的にメンテナンスをしてもらう
- 水分(汗や湿気)から補聴器を守る
- 高温や衝撃に注意する
それぞれについて詳しく解説します。
1.毎日自分で簡単なお手入れをする
補聴器は毎日簡単なお手入れをすることで、故障のリスクを下げられ寿命を延ばすことにつながります。
以下のような簡単なお手入れを毎日行うようにしてください。
- 本体を柔らかい布で拭く
- 音の出口や耳せんを柔らかい布で拭く
- 音の出口や空気穴に付着している耳あかを専用のブラシで払い落とす
- チューブ内に水分が残っている場合は布やティッシュで拭き取る
- 空気電池を柔らかい布で拭く
充電器を使用している方は、本体や端子に汚れが溜まらないように拭き取りましょう。なお、ウェットティッシュやアルコールは故障の原因になるため、使用しないでください。
定期的にメンテナンスをしてもらう
補聴器は定期的に補聴器販売店でメンテナンスをしてもらう必要があります。本体内部の汚れや湿気を除去してもらう必要があるためです。
また、内部のクリーニングだけでなく、部品の劣化などを早期発見してもらうことで故障のリスクを下げられます。
メンテナンスの頻度は以下を目安にしてください。
| メンテナンスを依頼する目安 | 依頼先 |
|---|---|
| 3カ月に1度 | 補聴器販売店の専門スタッフによるクリーニング |
| 2年に1度 | メーカーによる分解クリーニング |
3.水分(汗や湿気)から補聴器を守る
補聴器にとって汗や湿気などの水分は大敵です。
以下を参考にして補聴器を水分から守ってください。
| 対策 | 詳細 |
|---|---|
| 拭き掃除 | ・水分を拭き取ることで故障のリスクを下げられる ・チューブ内の水分はティッシュで作ったこよりで拭き取る |
| 乾燥ケースの使用 | ・乾燥剤入りのケースで保管すると本体内の湿気を除去できる ・ファンやUVライトが搭載された電気乾燥機もある |
| 防汗カバーの使用 | ・本体への直接的な汗の付着や浸透を軽減できる ・ただし、汗がたっぷり染みこんだカバーはかえって故障のリスクになるため注意する |
寒暖差により補聴器のチューブ内が結露する場合もあります。音に違和感があった場合はチューブ内に水分が溜まっていないか確認しましょう。
防水タイプの補聴器は、完全に水分から守られるわけではありません。過信せず基本的な水分対策を継続してください。
4.高温や衝撃に注意する
補聴器は高温に弱いです。
以下のような場所では保管しないようにしてください。
- 直射日光の当たるところ
- 炎天下の車内
- 自動車のダッシュボード
- 暖房器具のそば
また、補聴器は精密機械であるため衝撃にも弱いです。床やテーブルなど硬い場所への落下は故障の原因となるため注意してください。
補聴器の寿命または故障が疑われたら販売店スタッフに相談してみよう
補聴器の寿命は約5年です。しかし、使用環境やメンテナンスの頻度で寿命は変動します。寿命または故障が疑われる症状としては「電源を入れると雑音が聞こえる」「ハウリングが鳴り続ける」などがあります。
補聴器の寿命を延ばすには日々のメンテナンスが大切です。補聴器本体、音の出口、耳栓、空気電池などを柔らかい布で毎日拭くだけでも、故障のリスクを下げられます。
補聴器が寿命であるかどうかは一概に判断できません。修理をしても改善しない場合は寿命の可能性があります。 何らかの不具合がある場合は、専門スタッフが在籍する認定補聴器専門店などに相談するのをおすすめします。
参考
厚生労働省 補装具の種目、購入等に要する費用の額の算定等に関する基準
一般社団法人 日本補聴器工業会 JapanTrak 2025 調査報告
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記事投稿者
吉沢仁(よしざわひとし)
看護専門学校を卒業後、病棟看護師として従事する。2021年からWebライターの活動を開始。医療・健康分野を専門にしており、生活習慣病や精神疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、小児疾患などさまざまな分野で執筆経験がある。医療系の総執筆数は200本以上。現在は医療系メディアでSEOライティングを中心に対応中。