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親御さんに補聴器の必要性を伝える方法

  • 公開日:2021.12.01
補聴器 ヒント
男女

自分の親に言いづらい話を切り出すことは気まずく憂鬱なもの。聞こえの悪くなってきた親に補聴器を勧めることもその中のひとつでしょう。あえて機嫌をそこねるくらいなら現状維持を選ぶのも無理のないことです。しかし難聴を放置する不利益、あるいは補聴器をつける利益を軽く見積もっていないかについては注意する必要があります。聞こえの悪化の放置は生活の不便、社会的孤立といったQOLの低下をまねくだけでなく、認知症リスクにもつながりますから、あつれきを乗り越えるだけの価値はあるはずです。勇気を出して親に話を切り出すためのアドバイスを紹介します。

 

親の高齢化に伴って、運転をやめる時期や同居の提案、コミュニケーション障害の原因となっている難聴に対する改善策など、それまで必要のなかった話題を切り出さなければならなくなることがあります。

聴覚障害を持つ高齢者は自主性を失うことを恐れています

これまでできたことが思い通りにできなくなったと認めることは簡単ではありません。多くの親子関係において、大人になった子どもが年老いた親の介護者になるという、役割の逆転に直面する日が訪れることを恐れています。高齢化に伴う不安の多くは、自主性を失うことへの恐れに根ざしているといえます。

安全の問題

未対処の難聴は、健康と安全に大きな影響を与える可能性があります。救急サイレンや他のドライバーのクラクションが聞こえないまま車両を運転すると、事故の原因になります。医療従事者と効果的にコミュニケーションをとることができないと、指示に従えず、危険な誤解を招くことがあります。さらに、難聴を放置した場合、脳に適切な信号が届かないリスクがあることが示されています。耳が聞こえない状態で公共交通機関を利用して苛立たしく感じたり、あるいは難聴のせいで家族が外出を控えるなど周囲の負担になることもあるかもしれません。

脳の健康の問題

脳

難聴を放置すると、認知機能の低下を早めることが研究で示されています。耳が聞こえないと、他人とのつながりが希薄になり、社会的孤立、無力感、うつ症状を招く可能性があります。かつて楽しんでいたことの多くをやめてしまうこともあります。家族との交流でさえ、難聴によってぎこちなくなってしまうと、楽しい時間を一緒に過ごすことも難しくなってしまいます。

難聴について話すときのヒント

このような繊細な話題を持ち出して補聴器の購入を提案するときには、正しい伝え方というものがあります。ここでは、成功のためのヒントをいくつか紹介します。

補聴器の健康上の利点

認知症のリスク低下など、補聴器の健康上の利点について言及するのは一つの方法です。補聴器は、高齢者の健康上の利点を高めるほか、耳鳴りの治療にも役立ちます。

知識と理解を深めましょう

難聴補聴器の基本を理解しておくと、親御さんに限られた知識しかなかった場合に、心強く思ってもらえるでしょう。親御さんにすでに詳しい知識があったとしても、基本事項を知っていれば、有意義な話し合いができるはずです。高齢者によくみられる加齢性難聴騒音性難聴についても知っておくと良いでしょう。

タイミングが重要です

止まれ

親御さんが他のことでストレスを感じているときや、難聴に対するフラストレーションが極めて高いときには、補聴器の話をせず、適切な時期を待ちましょう

親愛の情を伝えましょう

まず、親御さんの立場になって考えてみてください。何年も先には、あなたが現在の親御さんの立場になることを想像してみることが大切です。たとえ会話が思い通りに進まなくても、親御さんに対して最善を望むからこそ補聴器を勧めているという気持ちを忘れないようにしましょう。こうしたコミュニケーションのコツを知っておくことはとても重要です。

難聴が及ぼす影響を重視しましょう

難聴そのものについて一方的に話せば、親御さんは身構えてしまいます。それよりも、難聴がもたらす生活面での影響に焦点を当てましょう。例えば、以前のように映画館に出かける姿が見られなくなって悲しいと伝えてみたり、。難聴で聞き取りが困難になっているせいで、以前よりも疲れて見えたり苛立っているように見えると伝えてみることです。あるいは、幼い孫娘が、電話で話ができないことをどんなに寂しく思っているかを伝えてみるのもいいかもしれません。親御さんがあなたに心を開いてくれるように接することが大切です。

パートナーになりましょう

ハート

親御さんに改善への意思がある限り、積極的にサポートしましょう。補聴器の装用開始に際しては、製品の選択肢が多すぎたり、わかりにくり情報や、理解しにくい技術など、気持ちがくじかれることが多くあります。自宅から通える距離に補聴器の専門家を探し、一緒に来店することを提案してみましょう付き添うことで、来店時に提示される多くの情報について、親御さんの理解を助けることができるからです。

もし補聴器購入に際して金銭的な援助が可能であれば、親御さんが装用を決心するきっかけになるかもしれません。補聴器を装用しない理由として最も多いとされているのが金銭的負担だからです。

積極的に支援しましょう

親御さんが補聴器の装用を決心できたら素晴らしいことですが、それはあくまで出発点にすぎません。新しい音に適応したり、補聴器の扱いに慣れることは、誰にとっても簡単ではありません。補聴器のお手入れについて一緒に練習したり、補聴器で聞こえるようになった新しい音について話し合ってみたりすることで、親御さんの心の支えになりましょう。補聴器に慣れるまでには時間がかかることも伝えてあげると良いでしょう。

また、他の家族と一緒に、親御さんとコミュニケーションを取る最善の方法を共有することも大切です。年を取るにつれて、積極的に自分の意見を主張したり、 波風を立てることを避けるようになる傾向があります。補聴器が適切に機能していなかったり、や補聴器に満足していないことに気づいたら、親御さんと補聴器の専門家の間を取り持ってサポートしましょう。補聴器に対する親御さんの不安や懸念に向き合い、せっかく購入した補聴器を装用しなくなってしまうという事態を避けることが大切です。

信頼できる購入元を見つける方法

補聴器には、日々の生活を改善する最新技術が搭載されていますが、その満足度は、補聴器の調整に従事する販売店や言語聴覚士などの聴覚ケアの専門家との関係に大きく依存します。

親御さんが補聴器を購入する段階になったら、近隣で信頼できる聴覚の専門家を見つけましょう。適切に調整された補聴器を装用することは、ご本人はもちろん、家族にとっても非常に喜ばしいことです。


■本記事について

本記事は米国Healthy Hearingにて掲載された記事を、一般的な情報提供を目的として意訳、また日本国内の事情に沿うように加筆再編成したものです。本記事のコピーライトはhealthyhearing.com及びheatlhyhearing.jpに帰属します。本記事内に掲載された名称は、それぞれ各社の商標または登録商標です。また、出典や参照元の情報に関する著作権は、healthy hearingが指定する執筆者または提供者に帰属します

■英語版記事はこちらから

米国「HealthyHearing」2021年10月13日の記事「How to tell your parents they need hearing aids」(Joy Victory寄稿)

https://www.healthyhearing.com/report/33206-How-to-tell-your-parents-they-need-hearing-aids

  • 記事投稿者

    ヘルシーヒアリング編集局

    1. ポータルサイト「ヘルシーヒアリング(healthyhearing.jp)」の運営
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  • 記事監修者

    田中ちえみ

    田中 智英巳

    デマント・ジャパン株式会社 アドバンスト・オーディオロジー・センター・センター長、ハワイ大学マノア校 Adjunct assistant professor, 静岡県立総合病院 客員研究員、ASHA認定オーディオロジスト、ハワイ州オーディオロジスト。■詳しいプロフィールを見る■

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