「補聴器を購入したが使い方やつけ方いまいちよくわからない」と悩んでいませんか?補聴器は、日々のご使用によって使用中の聞こえの状態に影響があるため、正しい使い方を知っておくことは大切です。
補聴器を初めて購入した方に向けて以下を解説します。
- 電池と電源スイッチの入れ方
- 補聴器のつけ方と外し方
- トラブルを減らすための上手な使い方
- 充電器と乾燥器の使い方
補聴器の効果を高めるための前提知識についても解説しています。補聴器の使い方やつけ方で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
補聴器の効果を高める正しい使い方【前提知識】
前提として補聴器は、期待している聞こえに近づけるために調整を繰り返しながら、装用を習慣化しなければなりません。難聴に慣れてしまった状態の耳や脳は、補聴器による適切な聞こえに順応していく期間が必要であるためです。
初回は「少しうるさい」程度の聞こえになりますが、その後期間を空けて調整を繰り返し、最適な聞こえにしていきます。装用をはじめた直後は、1〜2週間に1回の調整を3回以上は行う必要があります。最初の3カ月はとくに問題がなくても調整を繰り返しましょう。
聴力は時間の経過や環境の変化、健康状態によっても変わります。初回の調整を終えても、3〜6カ月に1回の調整が推奨されています。補聴器の初回調整を終えていない方や、しばらく調整をされていない方は、専門スタッフが在籍する認定補聴器専門店などに相談することをおすすめします。
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補聴器の電池と電源スイッチの入れ方
補聴器には 充電式タイプ と 空気電池(ボタン電池)タイプ の2種類があります。一般的な乾電池(単3・単4など)は使用しませんので、その点は注意が必要です。
空気電池タイプの補聴器は一般的に電池のフタが電源スイッチのオン・オフとして機能しています。
電池の入れ方の一例を挙げると以下の通りです。
- 電池のシールを剥がして吸気させるために1〜2分待つ
- 補聴器の電池のフタを開ける
- プラス側(シールが貼ってある面)を上にして、真上から新しい電池を入れる
- 電池のフタをしっかり閉める
補聴器によっては、電池のフタを閉めるとイヤーピース(耳栓)を通じてメロディ音(起動音)が聞こえます。電池に湿気がついている場合は、十分に拭き取ってから入れてください。
また、電池を長持ちさせるために補聴器を耳から外したあとは、電源をオフにしておきましょう。電池のフタを完全に開けた状態にすると電源がオフになります。
耳かけ型補聴器のつけ方と外し方のコツ
ここでは、以下の耳かけ型補聴器のつけ方と外し方のコツを解説します。
- BTE・RITEスタイルの耳かけ型補聴器
- プラスチック製フック・イヤモールド付きの耳かけ型補聴器
それぞれの詳細を解説します。
耳かけ型|BTE・RITEスタイル
BTE・RITEスタイルの耳かけ型補聴器のつけ方と外し方のコツは以下の通りです。
| つけ方 | 1. 補聴器本体を耳の後ろにかける 2. スピーカーワイヤーまたはチューブを耳の上から前に垂らす 3. スピーカーワイヤーまたはチューブの曲がっている部分を親指と人差し指で摘まむ 4. イヤーピースを耳穴に向ける 5. イヤーピースをやさしく耳の中に押し入れる |
|---|---|
| 外し方 | 1. 本体を摘まんで耳の後ろから耳の前に向けて外す 2. スピーカーワイヤーまたはチューブの曲がっている部分を摘まむ 3. 耳の穴からイヤーピースをゆっくりと引き出す |
スピーカーワイヤーやチューブが耳に沿っておらず浮いている場合は、イヤーピースがきちんと入っていないため入れ直しましょう。また、イヤーピースが外れるおそれがあるため、補聴器本体を引っ張って取り出そうとしないでください。
耳かけ型|フック・イヤモールド付き
プラスチック製のフックや、イヤモールド付きの耳かけ型補聴器のつけ方と外し方のコツは、以下の通りです。
| つけ方 | 1. イヤモールドの先端を先に耳の中に入れる 2. 耳のふちを引っ張りながらイヤモールドを耳の中に押し込む 3. イヤモールドが耳の中に入ったら、補聴器本体を耳の後ろに乗せる |
|---|---|
| 外し方 | 1. 補聴器本体を耳の後ろから耳の前に向けて外す 2. チューブの下側を持ちイヤモールドをゆっくりと引き出す |
耳あな型補聴器のつけ方と外し方のコツ
耳あな型補聴器のつけ方と外し方のコツは以下の通りです。
| つけ方 | 1. 補聴器の上端と下端またはテグスの部分を親指と人差し指で摘まむ 2. 補聴器のカラードットは上にする 3. 補聴器の先端を耳穴に入れる 4. 完全に挿入されるまで耳穴に沿って入れる |
|---|---|
| 外し方 | 1. 補聴器の下端に親指、上端に人差し指をあてて、本体を摘まむ 2. 補聴器をゆっくりと引き出す |
取り出しワイヤーまたはテグスが付いている場合は、ワイヤーまたはテグスを親指と人差し指で摘まんでゆっくりと引き出して外しましょう。
補聴器のトラブルを減らすための上手な使い方

補聴器のトラブルを減らして使っていくには、以下のことを行う必要があります。
- 定期的にメンテナンスを受ける
- 毎日お手入れをする
それぞれの詳細を解説します。
定期的にメンテナンスを受ける
補聴器は、自分では掃除できない箇所の掃除が必要であるため、補聴器販売店の専門スタッフや各メーカーに依頼して、定期的なメンテナンスをしてもらわなければなりません。
具体的には、メンテナンスにより以下のようなことを取り除く必要があります。
- 音の出口に詰まっている汚れ
- 本体内部にたまった湿気
以上を放置していると、音が聞こえにくくなったり、故障したりするリスクが高まります。
以下を目安にして定期的なメンテナンスを行いましょう。
| メンテナンスを依頼する目安 | 依頼先 |
|---|---|
| 3カ月に1度 | 補聴器販売店の専門スタッフによるクリーニング |
| 2年に1度 | メーカーによる分解クリーニング |
出典:一般社団法人 日本補聴器工業会 お店での定期的なアフターケア
毎日お手入れをする
簡単にでよいので、以下のように毎日お手入れすることも大切です。
- 柔らかい布で補聴器本体の汚れを拭き取る
- 電池や充電器も柔らかい布で拭く
- 音の出口を下に向け専用のブラシで耳あかを落とす
- チューブ類の内部に水分や汚れがたまっている場合は、専用のクリーニングツールや布などで拭き取る
充電器の端子に汚れが付いている場合は綿棒などで優しく拭き取りましょう。ウェットティッシュやアルコールは故障の原因になるため使用しないでください。
補聴器の充電器と乾燥機の使い方
補聴器の周辺機器として充電式補聴器の充電器や、補聴器を湿気から守る乾燥器などがあります。以下では、充電器と乾燥器の使い方について解説します。
充電器の使い方
充電器の使い方は、補聴器の各メーカーにより異なります。各メーカーの取扱説明書に記載された方法で使用してください。また、トラブルを避けるために充電コードや電源アダプターは各メーカー純正のものを使用しましょう。
OticonのスマートチャージャーminiRITEを一例にして、使い方を解説すると以下の通りです。
- 充電器にUSBケーブルと電源プラグを接続して充電器本体を充電する
- 充電が完了したら左右間違えないように補聴器本体を充電器にセットしてフタを閉める
初回利用の場合は十分に充電器本体を充電することが推奨されるため、LEDライトが緑点灯になるまで充電しましょう。
充電器のトラブルを防ぐためにはお手入れも大切です。乾いた布で充電ポートにホコリがたまらないように拭き取ってください。故障の原因になるため水拭きなどはしてはいけません。保管場所は湿度の高い水回りを避けて、寝室などの乾燥した場所にしましょう。
乾燥機の使い方
補聴器にとって湿気は大敵です。とくに夏場は湿気から補聴器を守るために乾燥機の使用をおすすめします。一般的な乾燥機は、円柱のプラスチックケースの中に乾燥剤が入っている製品が多いです。
補聴器の電池を取り出し、電池のフタを開けた状態で乾燥器の中に入れて保管します。乾燥器は各メーカーにより除菌や脱臭ができる製品、電機式の製品などがあります。どれを購入すれば良いかわからない場合は、販売店の専門スタッフに相談しても良いでしょう。
補聴器の使い方に関するよくある4つの質問
ここでは、以下の補聴器の使い方に関するよくある4つの質問を解説します。
- Q1.補聴器の装用は片耳だけでも大丈夫?
- Q2.補聴器は1日何時間ぐらいつけるべき?
- Q3.ハウリングが起きるのは使い方の問題?
- Q4.思ったほど聞こえないのは使い方の問題?
それぞれの詳細を解説します。
Q1.補聴器の装用は片耳だけでも大丈夫?
補聴器は片耳だけよりも、両耳装用が推奨されることが多いです。両耳に装用すると、正確な音の方向や位置、自然な聞こえなどの効果が得られやすいためです。ただし、事前に補聴器相談医を受診して、両耳装用が適用されるか判断してもらう必要があります。
Q2.補聴器は1日何時間ぐらいつけるべき?
補聴器の1日の装用時間に明確な基準はありません。長ければ長いほどよいとされています。不快感などにより装用習慣が定着しなくなってはならないため、「30分程度から始めて1日2時間以上は装用しない」と、慣れるまでは短時間で始めることが推奨されています。
出典:日本聴覚医学会 補聴器の初期調整時の装用時間と音に対する慣れの検討Q3.ハウリングが起きるのは使い方の問題?
補聴器のつけ方や使い方が適切にもかかわらずハウリングが起きる場合は、調整不足や故障の可能性があります。ハウリングとは、補聴器から「ピーピー」となる高い音のことです。
例えば、補聴器のチューブやイヤモールドにヒビがあったり、音の出口を指でも塞いでも「ピー」となったりする場合は故障のおそれがあります。ハウリングの原因について、詳細を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】
補聴器のハウリングはなぜ起こる?主な3つ原因と直し方を解説
Q4.思ったほど聞こえないのは使い方の問題?
補聴器の使い方やつけ方が適切にもかかわらず思ったほど聞こえない場合は、調整不足の可能性があります。他にも「難聴レベルに補聴器が合っていない」「補聴器から聞こえる音に慣れていない」などの可能性もあります。
補聴器が思ったほど聞こえない原因については、以下の記事で解説しているため参考にしてください。
【関連記事】
補聴器を使っても思うほど聞こえない8つの原因|実施すべき4つの対策を解説
補聴器の使い方に困ったら販売店の専門スタッフに相談しよう
補聴器は前提として、適切に調整が行われていなければ期待した聞こえになりません。とくに初回の調整を繰り返し行っていない方は、販売店の専門スタッフが在籍する認定補聴器専門店などで調整してもらうことをおすすめします。
補聴器の調整ができているにも関わらず聞こえが良くない場合は、装用方法やメンテナンスに問題がある可能性あります。まずは本記事で解説した方法に沿って、しっかりと耳の穴に挿入されているか確認してみてください。
補聴器のメンテナンスを行っていない方は、一度補聴器販売店でクリーニングをしてもらうことがおすすめです。お近くの補聴器販売店をお探しの方は、以下から検索してみてください。
参考
Oticon miniRITE miniRITE T 取り扱い説明書
一般社団法人 日本補聴器工業学会 お店で定期的なアフターケア
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記事投稿者
ヘルシーヒアリング編集局
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