耳あな型、耳かけ型補聴器

補聴器のタイプとスタイルを知る

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補聴器には大きく分けて耳あな型と耳かけ型の二つがあります。また耳かけ型には従来のBTEタイプと現在市場を席捲しているRITEタイプがあります。さらにそれぞれのタイプに多彩な器種やスタイルがあります。あなたに最適なのはどのタイプか、補聴器専門家や専門スタッフが補聴器選択の手助けをいたします。

補聴器:耳あな型(ITE)または耳かけ型(BTE/RITE)

補聴器の基本的なタイプについて:

耳あな型(ITE:アイティイー):これらの補聴器は耳の中(外耳道:がいじどう)に装用します。補聴器の購入前には補聴器販売店では、カウンセリングを行います。耳あな型補聴器の購入が決定した場合は、専門家や専門スタッフがお客様の耳の状態を確認したのち、専用のシリコン素材を利用してインプレッションと呼ばれる耳型を採取します。歯形採取などと似ているこのプロセスにかかる時間は約10~15分です、安全に適切な方法によって耳型は採取されます。耳あな型補聴器は、この耳型を基にお客様の耳の形に合わせてオーダーメイドで作成されます。耳あな型補聴器は通常は、お客様の耳に調和する肌色で作られます。

耳かけ型(BTE:ビーティーイー):耳かけ型の補聴器は耳の後ろまたは上に装用します。補聴器で増幅された音は、本体についているチューブとその先についている既製の耳栓(イヤピース)や自分の耳の形に合わせて作成されたイヤモールドを通して耳の中へと届けられます。耳かけ型補聴器には、髪や肌のトーンに合わせたさまざまな色が用意されています。また小児向けなどお子さんの感性を重視した製品カラーを展開しているシリーズ製品もあります。

耳かけ型RITE(RITE/ライト/外耳道レシーバ):耳あな型と耳かけ型それぞれが持つ利点を総合して生まれた耳にかけるもう一つのタイプがRITE(ライト)補聴器です。現在補聴器の市場でもっともシェアの高いRITE補聴器は、増幅された音を出すスピーカーを耳の中(外耳道)に入れて装用します。(RITEは外耳道レシーバ補聴器と呼ばれることもあります)スピーカーと本体は細いワイヤーでつながれています。耳穴のより鼓膜に近いところに、直接音を届けることで、高い音質が得られます。小さく軽く目立たないデザインの補聴器です。多彩なカラー展開や製品本体のスタイルについてもデザイン性を高めたデザインRITEと呼ばれる製品ラインアップもあります。

写真:多彩なカラー展開のあるデザインRITEシリーズ

補聴器のイヤピース(耳せん)について

耳かけ補聴器BTEでは、製品本体についているチューブの先に既製の耳栓(イヤピース)を組み合わせて使用します。耳かけ型補聴器RITEでは、音の出口となるスピーカーは、補聴器本体から離れ補聴器本体とは細いワイヤーでつなげています。このスピーカー部分に耳栓を付けて使用します。これらの耳栓はドームなどとも呼ばれますが、どの耳栓を使用するかは選択した補聴器、聴力、スピーカーのサイズなどによっても異なります、補聴器販売店の専門スタッフがお客様の聞こえに合わせて最適なものを選択します。

■イヤモールドとは?お客様の聴力によって、耳かけ型補聴器各種と組み合わせて使用するイヤモールドの作成が必要になる場合もあります。イヤモールドは、耳あな型補聴器の耳型と同様に、専用のシリコン素材を使って歯型と同様にインプレッションと呼ばれる「耳型」を一人ひとりお客様の耳で採取します。この耳型をもとにお客様の耳に合わせて作られます。聴覚ケアの専門家や補聴器専門スタッフは、お客様の耳の状態を確認したのち、約10~15分で安全に適切な方法によって耳型を採取します。耳かけ型RITEタイプの補聴器では音の出口であるスピーカーとイヤモールドが一体になっている場合もあります。

写真:さまざまなイヤモールド

補聴器を選択いただく際は、補聴器の色やスタイルだけでなく、電池寿命やご自身の手先の器用さも加味したうえで、扱いやすい形状や大きさであるかを確認いただくことも大切な要素です。またご自身のライフスタイルにおけるニーズなども考慮いただく必要があります。

補聴器のサイズの違いとは

ワイヤレス通信機能をはじめとするさまざまな機能を搭載した製品や、また使用する電池などに合わせてさまざまなサイズの補聴器があります。より大きなサイズの補聴器では、耳あな型も耳かけ型も音の増幅のための高出力のスピーカーやアンプなどを長時間動作させるために、よりパワーのある大きなサイズの電池などが使用されています。

また、一般に多くの補聴器ユーザーの方は、装用してもほとんど目立たない小さな耳あな型や髪色になじむ耳かけ型を選択しますが、デザイン性の高いスタイルを選び補聴器装用をスタイリッシュな装用経験と捉える方もいます!

見えない補聴器からより大きいサイズまでを揃えた耳あな型補聴器

きわめて小さい耳あな型補聴器(CIC:completely-in-the-canal)
見えない耳あな型補聴器 (IIC:Invisible-in-the-canal)

IIC及びCICスタイルの補聴器は、オーダーメイド補聴器の中では最も小さいサイズの補聴器です。これらのスタイルは耳の穴(外耳道)の奥にフィットし、ユーザーは、従来私たち人間が持つ周囲の音を集めて耳の奥へと届ける自然な耳介の働きを利用して音を聞くことができます。耳あな型補聴器は全般に鼓膜に近いところで音を受け取ることができ高い音質の恩恵が受けられます。IICはお客様の外耳道の形によっては作成できない場合があります。その際はIICより少しだけサイズを大きくしたCICを勧められることもあります。

IICとCICは、軽度または中等度の難聴の補聴器ユーザーに適しています。装用すると外からはほとんど見えないことから、つけていることを周りに見せたくないというニーズにこたえる補聴器です。IICは補聴器のサイズが非常に小さいため、通常本体には、ボリュームコントロールやプログラムボタンといった手動での調整ボタン等はついていません。また、サイズを優先することで搭載できる機能が制限されることもあります。IIC型およびCIC型は、最小サイズの電池を使用します。特にIICでは、着脱に慣れが必要なため器用さに不安を感じる方には標準サイズのカナルもお勧めいたします。

写真:IICサイズの補聴器装用

カナル(ITC)補聴器

カナル型(ITC)補聴器は、耳穴型補聴器の標準的なサイズで、快適で使いやすいサイズの耳穴型補聴器です。IIC型やCIC型よりもやや大きいため、電池寿命が長く、また軽度から高重度までの広範な難聴に対応することができます。さらに騒がしい環境での言葉の理解を高めるための指向性マイクロフォンや補聴器の音量調整のためのボタンなどを組み込むこともできます。

ハーフサイズ補聴器(Half)そしてフルサイズ補聴器(Full)

カナルサイズよりやや大きめで操作性が高いハーフサイズは操作性の高い補聴器です。耳あな型補聴器ではもっとも大きなサイズとなるフルサイズは耳のくぼみ全体を覆います。カナル(ITC)サイズと同様に、ハーフ、フルサイズでは、指向性マイクロフォンや、回転式のボリュームや補聴器のプログラムを切り替えるためのプッシュボタンなどを追加するのに十分なサイズの補聴器です。器用さに不安を抱えている人にとっても操作しやすく、またフルサイズではハーフサイズよりさらに大きな電池を使用することも可能です。

目立ちにくいサイズからパワータイプまで耳かけ型補聴器

写真:RITEスタイル補聴器

RITEはリック/RIC補聴器と呼ばれる場合もあります。補聴器のスピーカー(音の出口)が耳の中(外耳道)に入ることが大きな特徴です。本体とスピーカーは細いワイヤーでつながれており、その先に耳せん(イヤピース)をつけて使用します。スピーカーが耳の中にあることによってより鼓膜に近いところで直接音を捉えられるため、高い音質が得られます。

耳かけ型:BTE

耳の後ろにかけて使用する耳かけ型は軽度から重度まで、さまざまなタイプの難聴に対応できる補聴器です。子ども用の補聴器では周囲から動作状況が確認できるLEDライトを備えたものもあります。スピーカーを含む繊細な電気部品は補聴器本体内に内蔵されており、補聴器の故障につながる水分や耳垢の影響を受けにくいというメリットもあります。耳せんは既製のものや、耳の形に合わせて作成するイヤモールドと組み合わせて使用します。耳せんやイヤモールドと本体を接続するチューブは定期的に交換を行います。

日々成長していく子どもでは、耳の形の成長に合わせてイヤモールドを交換することができます。年齢に合わせて調整が行えること、また扱いやすさや丈夫な製品構造などから耳かけ型補聴器は小児用としても広く使用されています。

ミニ耳かけ型:極細のチューブと耳せんとの組み合わせ

ミニ耳かけ型は、耳かけ型より一回り小さく耳の後ろに隠れて目立ちにくい補聴器の一つです。音は極細のチューブを伝わって耳に届きます。またチューブの先には、通常、柔らかい耳せんを付けて使用します。ライトタイプと同様にミニ耳かけ型は人気があることから、より重度の難聴にも対応できるよう、耳せんの種類も充実しています。

補聴器スタイル 特長 考慮すべき点
耳あな型 IIC ・外から見えない
・人の耳が持つ音を集める自然な耳介効果を得られる
・極めて小さいサイズのため手先の器用さもポイントの一つ
・耳穴(外耳道)のサイズや聴力によっては作成が難しい場合も
CIC ・極めて目立たない
・目立ちにくい補聴器を求める多くの方に対応
・極めて小さいサイズのため手先の器用さもポイントの一つ
カナル(ITC) ・目立ちにくいを実現しながら標準サイズで操作性も確保
・IIC・CICより大きな電池を使用するため動作時間がより長い
・装用時に閉塞感を感じる場合も(IIC,CICも同様)
ハーフ、フル ・比較的大きなサイズで操作性も高く着脱しやすい
・さまざまな機能や操作のためのボタンなどオプションがつけられる
・カナル以下のサイズに比較するとやや目立つ ・装用時に閉塞感を感じる場合もある(IIC,CICも同様)
耳かけ型 RITEまたはリック(RITE・RIC・外耳道レシーバータイプとも) ・目立ちにくい
・閉塞感が少ない
・デザイン性の高い製品も、スピーカーは補聴器販売店などで交換可能
・小さいタイプのRITEスタイルでは器用さがポイントになる場合も
・耳垢がしっとりしている、または耳漏がある場合、耳かけ型(ミニBTE/BTE)が推奨されることも
ミニ耳かけ型(ミニBTE) ・目立ちにくい
・閉塞感が少ない(極細チューブとの組み合わせ)
・製品サイズによって器用さがポイントになる場合も
耳かけ型 ・さまざまな聴力の難聴に対応可能
・堅牢な製品構造のため多くのニーズに対応可能
・オーダーメイドで作成するイヤモールドは交換可能(お子さんなど)
・イヤモールドとの組み合わせで閉塞感を感じる場合も
・製品サイズによってはメガネとの兼用が難しい場合も

最適な補聴器とはどのようなものでしょうか?

聴力や聞こえのニーズに合わせて様々な機能やタイプの補聴器があります。全く同じ聴力の方でもまるで指紋の様に聞こえは一人ずつ異なるため、最適な補聴器もまた一人ずつ異なります。ご自身のニーズに合った適切なタイプの補聴器を見つけるまでには、いろいろな事がらを考慮いただく必要があります。補聴器販売店のスタッフはさまざまな補聴器の相談にお答えします、どうぞ小さなことでもお気軽にお話しください。

現在、補聴器を装用していますか?

現在補聴器をお使いの方に向けて、聴力は変化することがあります。

現在補聴器を装用中で、買い替えなどを検討中の補聴器ユーザーの皆さまに向けてはご使用中のスタイルを基準に新たな補聴器をお探しいただくことをお勧めします。補聴器の技術は絶えず進化しています、今お使いの補聴器と同じスタイルについても、先進の機能を備えた製品をお試しいただけます。

一方で時間の経過とともに聴力に変化が起きていることも考えられます。新たな補聴器の検討と併せて、耳鼻科の専門医における聴力検査を受けていただくことが大切です。

手先の器用さに不安はありますか?

手先の器用さに不安をお持ちの方(小さな物を掴むことが難しい、指先の感覚が弱っているなど)では、操作性の高い製品をお勧めします。製品サイズも大きく取り扱いが容易であるといった点から、ハーフサイズ、フルサイズの耳あな型(ITE)補聴器やまたイヤモールドを備えた耳かけ型(BTE)補聴器などが選択肢の一つになり得るかもしれません。これらの製品では13電池など電池サイズが大きめで電池交換も安心して行えます。音量調整、補聴器に設定したプログラムの切り替え、また電話音声が補聴器に届くなどの追加的な機能も検討いただけます。補聴器の音量やプログラムの切り替えを補聴器本体で行うのが難しい場合は、リモコンを併せてお使いいただく、また充電式の補聴器などもご相談いただけます。

外出が難しいなどといった制限はありますか?

LED表示ランプ付きで保護者や周囲の人々に補聴器の捜査状況が分かる製品も

補聴器をお探しのご本人の外出が難しい、また日常生活を送るに際し何かしらの制限があるなどの場合、あるいは病院や施設などでお過ごしの場合、イヤモールドを備えた耳かけ型補聴器が最も適しているかもしれません。周りから補聴器の動作状況が目で確認できるLED表示ランプを備えた製品もあります。LED表示ランプを搭載した補聴器は、お子様にも最適です。

また補聴器に加えて電話やテレビ視聴をサポートする補聴援助機器や、視覚や振動などで情報を伝える煙探知機、アラーム類、光を点滅させるドアベルといった補助的な製品を導入いただくことでより楽にそして安全に日常をお過ごしいただけます。

聴力はどの程度ですか?

軽度から中等度の難聴

左:きわめて目立たないIICスタイル 右:デザインを重視したRITEスタイル

軽度または中等度の難聴をお持ちの場合は、目立ちにくさを重視した耳あな型補聴器(CIC:completely-in-the-canal)、カナル(ITC)補聴器やライトタイプの耳かけ型補聴器などをはじめとした選択肢があります。もし低音にも高音にも難聴がある場合は、目立たないという利点があるCICスタイルやカナル(ITC)、もしくはライト(RITE)タイプで耳によりフィットする耳せんを使用するのが適しているかもしれません。主に高い音に難聴がある場合は、ライトタイプで耳せんに穴が開いているものを使用することが快適な選択肢といえます。高い音は増幅しながら耳せんに空いている穴から自然な音が入ってくることで快適な聞こえを保つことができます。

高度、重度難聴

高度または重度の難聴のある方では、難聴の度合いに応じて耳あな型補聴器のカナルサイズ、ハーフやフルサイズを検討いただくか、またはイヤモールドと耳かけ型(BTE)補聴器の組み合わせが適切な場合があります。これらの補聴器は、より音を増幅できるパワーを持ち、耳の大きさ、個人的な聞こえの好み、耳垢が比較的たまりやすいなどといった個人の特徴を基に選択いただけます。また補聴器に加えて電話やテレビ視聴をサポートする補聴援助機器や、視覚や振動などで情報を伝える煙探知機、アラーム類、光を点滅させるドアベルといった補助的な製品も併せてご使用いただくと聞こえをさらにサポートすることができます。

ぜひ一度実際の補聴器を試してみませんか?

先進の補聴器は、電子機器や部品類の小型化などによって、今まで以上に多くのタイプやサイズが市場に登場しており、軽度難聴の方から、パワーを備えた補聴器を必要とする方まで幅広い難聴に対応することが可能です。また技術の進化によって、非常に小さくそしてほとんど見えない補聴器も積極的に選択いただくことができるようになっています。すでに補聴器をお使いの方では、パワータイプなど従来サイズが比較的大き目であった補聴器についても、現在はスタイリッシュなデザインの補聴器を検討いただけます。どうぞぜひ一度お近くの補聴器販売店へご相談下さい。