難聴を防ぐには

難聴を防ぐには

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生涯にわたって聞こえの健康をどう守るか、それは聞こえそのものを意識することから始まります。今ある聞こえを守るために、職場やさまざまな日常の場面で講じることができる聞こえを守るためのちょっとしたヒントをお伝えします。

難聴はわたしたちの誰にとっても共通した健康問題であり、さまざまな原因によって発生する可能性があります。良いお知らせは、難聴の種類によっては予防が可能なものもあるということです。習慣をわずかに変え、聞こえに対する意識をほんの少し向上するだけで、聞こえを守る努力は将来にわたって、大きく報われます。

有害な騒音を避ける

米国疾病管理予防センターは、米国国内だけでも推定2200万人の人々が日常的に職場において危険な騒音レベルにさらされていると報告しています。大きな音に対する感度は人によって異なりますが、80デシベル(dB)を超える騒音レベル(家庭での一般的な掃除機の音、またごみ収集車のゴミ処理の音など)に長時間さらされることで、聴覚に永久的な悪影響を及ぼすことがあります。これはまた、騒音レベルが高いほど、難聴のリスクが高くなることも意味しています。

ライブコンサートの興奮が聴覚に重大な影響を与えることがあります。
ライブコンサートの興奮が聴覚に重大な影響を与えることがあります。

大きな音が聴力に悪影響を与えるのは、長期間にわたる騒音への曝露によるものだけではありません。花火の発射地点の近くに居合わせたり爆発が起こったようなときに、一瞬ではあるものの例外的に大きな騒音は、不可逆的な難聴を引き起こすことがあります。

大きな音へさらされることによって引き起こされる難聴の問題点は、損傷を引き起こすほど騒がしい状況とはどのようなときかを認識していない場合が多いことです。工事現場やロックコンサートなど極めて大きい騒音が発生し得る場所へ足を運ぶ際は、予め聞こえを保護するための準備をしておくことが重要です。ある場所が騒がしすぎると感じる場合、おそらくその直感は当たっています。それ以外にも、以下のような聞こえの場面や耳の状態に気を付けましょう。

  • 相手に聞こえるように声を張り上げる必要がある
  • 1メートル程度離れた人の声を聞くことができない
  • 騒がしい場所を離れた後、周りの人の会話や音声がはっきりしない、またはぼやけて聞こえる
  • 騒々しい場所にいた後、耳に痛みを感じたり、耳鳴りがしたりする
  • 外出先で客観的に音量を測定するには、スマートフォンアプリでの簡易的な騒音計などを積極的に使用しましょう!

時として騒がしいレストラン、大音量のコンサートや花火の他に、日常的な騒音が問題になることもあります。普段の会話、食器洗い機や衣類乾燥機の音などは総じて中くらいの騒音レベルである一方、激しい交通、目覚まし時計、掃除機、ドライヤー、ジューサーやブレンダーなどの音は、80~90 dBの非常に大きな音のレベルとなることがあります。さらに、通過するオートバイ、工事現場などでの掘削機(ドリル)、芝刈り機またはMP3音楽プレーヤーなどでも、110 dBを上回る騒音レベルが生じる可能性があります。そして、耳の痛みにつながるレベルの騒音には、サイレン、ジェット機の離陸、および爆薬などの破裂音など、最大150 dBの騒音を出す可能性があるものがあり、これは聞こえにとって安全とされる許容音量のほぼ2倍に相当します。

繊細な聴覚経路に損傷が起こることで、大きな騒音による永久的な難聴を発症することがあります。音は外耳道を通って鼓膜に向かう音波によって耳に集められます。音が大きすぎる、または危険なレベルになると、その音の力によって中耳の小さな骨が傷ついてしまうことがあります。

大きな音は、中耳を損傷させることに加えて、内耳の蝸牛を覆う小さな有毛細胞にも損傷を与えることがあります。聴覚神経を通じて脳に電気刺激を送るには健康な有毛細胞が必要となりますが(これによって脳は音を理解しています)、有毛細胞の損傷は永久的な難聴を引き起こす可能性があります。

聞こえの保護具を使用する

仕事の環境によって聞こえの健康に影響を及ぼすこともあります。
仕事の環境によって聞こえの健康に影響を及ぼすこともあります。

思いのほか私たちは騒音があふれる世界に住んでおり、聞こえにとって脅威となる可能性のある騒音レベルへの曝露は時として避けられないこともあります。職業や職場の環境によっては毎日、難聴の危険にさらされている可能性もあります。

  • 建設労働に関わる人々
  • 救急医療隊員
  • 消防士
  • ミュージシャン
  • 自衛隊の隊員など
  • 製造業および工場内の仕事など

米国労働統計局のデータでは、製造業において最も多く記録されている職業上の疾病は職業性の難聴とされています。

良い情報としては、騒がしい環境で働く人々が自ら取り入れることが可能な予防措置は数多くあります。費用をかけることなく、容易に入手可能なフォームタイプやワックスタイプの耳栓からハイテク、ハイエンドのノイズキャンセリング機能を搭載したヘッドセット、イヤーマフまで、さまざまな種類の聴覚を保護する器具を利用することができます。騒がしい場所で勤務される際は、健康や安全のためにもご自身の権利、雇用者の責任、そしてご自身の責任についても理解しましょう。

うるさい環境で働く方は、聞こえの保護について学び、聴覚の健康を守りましょう!
耳栓は、もっとも手軽に利用いただける聞こえの保護具のひとつです。これらは一般に、音を通しにくい不透過素材から作られており、正しく装着いただくことで適切に聞こえを保護することができます。使い捨て、または再使用可能で、柔らかく耳にフィットするものや紐付きのものもあります。耳栓を頻繁に着用する必要がある場合は、快適にフィットするように耳の形に合わせてカスタマイズできる耳栓を選ぶのもよいでしょう。

聞こえの保護具の別の選択肢として、イヤーマフまたはノイズキャンセリングイヤホンがあります。これらの保護具はしばしば、長時間/長期間の騒音またはより高レベルの騒音にさらされることに対して、より効果的に聞こえを保護することができます。これらヘッドフォンスタイルの保護具は耳全体を覆うことで機能し、大きな騒音が耳に届かないようにします。

聞こえの保護具は、継続的にそして正しく装着することで効果的に機能します。どのような保護具を選べばよいか分からないときには、耳鼻科や保護具の専門メーカーなどにご相談ください。

聴力検査を受けましょう

難聴を予防することは、聞こえの健康に積極的に取り組むことを意味します。 視力や歯の検査を定期的に受けるように、聴覚検査を定期健診に加えてみてはいかがでしょうか。

定期的に聴力検査を受けることにより、年月の経過とともに聞こえの変化を追うことができるようになります。聞こえづらさを感じることがなくても、聴力検査はいつでも耳鼻科医において受けることができます。定期的な聴力検査の習慣を早めに持つことは、今の聴力を守るためにも良いことです。すでにある程度の難聴があることが検査で判明した場合にも、早めに対処することができます。補聴器を必要とされる場合は、難聴の程度、ライフスタイルまた予算などに基づく最適な選択肢について、お近くの補聴器販売店にてご相談いただくことができます。

生涯にわたって聞こえの健康をどう守るか、それは聞こえそのものを意識することから始まります

職場や日常における騒音レベルに注意しましょう。ご自身の耳を騒音から守るために小さな行動を起こすことで、音楽鑑賞など、ご自身の趣味を安心して楽しんでいただくことができます。

ご自身の現在の聴力を知るために耳鼻科医を受診しましょう。また補聴器についてのご相談はお近くの補聴器専門店へお気軽にご相談ください。