難聴に対処する

聞こえの問題には早めの対処が重要!知っておきたい難聴の基礎知識

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誰にでも起こりうるのが難聴です。医学的知見にもとづいた認識をもつことと、適切な対処をすることが重要です

数多くの難聴者、低い補聴器の使用率…

日本補聴器工業会によると国内では、実に人口の1割を超える約1,430万人の人々が難聴を自覚していることが報告されています、国立長寿医療センターの報告では、日常生活での聞き取りに支障のあるレベルで難聴を抱えている方の割合は、70歳代男性で5人に1人、女性では10人に1人にのぼるとされています。

聞こえの問題に対し何らかのアクションを取っているかについて、国内における「人口における難聴者の割合」は海外と大きな差は無い一方で、「難聴者の補聴器使用率」は13.5%と、欧米諸国と比べてかなり低い水準にとどまっています。

聞こえづらさだけじゃない!難聴により生ずるさまざまなデメリット

難聴は徐々に進行すること、また痛みを感じないことからよくある健康の問題としてともすれば軽視されてしまいがちです。ところが最近の国内外のさまざまな研究では、難聴と認知機能の低下との関連、聞こえづらさから人とのかかわりにためらいを感じ社会との距離を取ることで起こるうつ症状との関係なども指摘されています。

また、難聴と収入面の影響についても報告されています。米国の調査によると、難聴に対して適切な対処を行っていない就業者世帯における世帯年収への影響は、平均して年収US12,000ドル(約120万円)の損失が認められています(米国医療機関Better Hearing Instituteの調査による)。

難聴を放っておくことで生活や人生に影響を与えかねません。難聴の問題を抱えた家族がいる場合も同様です。聞こえの変化を感じたらできるだけ早く行動を起こすことが重要です。

専門医や補聴器販売店スタッフによるサポート。聞こえの問題に対処する聴覚ケアとは?

耳や聞こえに気を配り、維持や管理していくことを聴覚ケアといいます。手術を含む医学的な介入、補聴器やそのほか聞こえのサポートツールの使用による聞こえの改善といった選択肢も、もし難聴の兆候がある場合には検討されることになります。どのような聴覚ケアが最適であるかは、難聴の程度や根底にある原因、難聴の種類に加え、ご自身のライフスタイルに関する情報などを含むさまざまな要素が複雑にかかわります。難聴の種類や程度については、まず耳鼻科の専門医の診断により決定され、その後どのようなサポートが適切か具体的な対処に移っていきます。補聴器が有効と判断された場合は、補聴器販売店にて専門スタッフが聞こえの改善に関与していきます。

補聴器・人工内耳=聴力を改善する医療機器

難聴は医学の世界においてその研究が広く進んでおり、今日では難聴に対し、より効果的な対処を行う事が可能になりました。

難聴は手術等の医学的介入により聴覚(耳の機能)の回復が見込めるものと、そうでないものに大別されます(難聴の種類の詳細については代表的な3つの難聴をご覧ください)。もし医学的介入により回復しない場合でも、装用により聴力の改善が見込める補聴器や人工内耳などの医療機器の選択が検討されていくことになります。以下でこれらの医療機器についてご紹介します。

補聴器

医学的な介入で聞こえを回復できない場合、補聴器は多くの方にとって有効な選択肢となります。補聴器にはさまざまな色、スタイル、サイズがあり、求めるニーズや搭載機能によっておおむね10万円~50万円(片耳)の価格帯の製品の中から選択することが可能です。

補聴器の目的は、音を増幅することです。補聴器によって聴覚が回復することはありませんが、聴力を改善し、よりクリアにそして楽にコミュニケーションを取れるよう手助けします。補聴器は、難聴の程度や個人の好みに応じて、耳穴に入れて装着するタイプや耳の後ろにかけるタイプがあります。

聴覚支援のためのさまざまな周辺機器

補聴器は聞こえの改善にとって大きな助けになりますが、補聴器だけではすべての補聴器ユーザーの特別なニーズに対処できるとは限りません。


オーティコンのアミーゴ(Amigo)はFMワイヤレス通信技術を利用する聴覚支援機器です。話者との距離が離れている場面など、特定の環境で活用することができます。

聞こえを取り巻くさまざまな環境の中で、補聴器に付随して使用いただくことでコミュニケーションの溝を埋めることができる様々なオプションや聴覚支援のための製品があります。

聴覚支援機器は、テレビを見たり、ラジオを聞いたり、電話で話したりする際に、聞こえにおける体験を改善することができます。

人工内耳

人工内耳は、重度の難聴または完全に聴力を失った方が音を認識するのに役立つ小さな電子機器です。人工内耳は通常の聴覚経路をバイパスして、聴神経を直接刺激します。人工内耳は補聴器とは仕組みが異なり、音をより大きくする代わりに音響信号を電気パルスとして送達します。

まとめ

補聴器あるいは人工内耳のいずれを利用する場合でも、機器が適切に調整され、確実に機能しているかどうかを確認するために、耳鼻科の専門医、聴覚ケアの専門家あるいは補聴器販売店へ定期的に足を運んでいただく必要があります。

難聴は誰にでも起こりうる問題ですが、医療的な処置、あるいは今日の優れた技術により早期に対処することが大切です。聞こえの変化を感じたら、耳鼻科を受診の上、お近くの補聴器販売店へご相談ください。

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