難聴に対処する

難聴に対処する

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難聴は誰にでも起こりうることですが、聞こえづらさを感じたらまずはできるだけ早期に対応することが大切です。ここでは難聴についての基礎的な情報をお届けします。

米国ジョンホプキンズ大学医学部の情報によると、米国の12歳以上の人口の約20%に一定の難聴があるとされています。しかし、統計によれば、補聴器装用が聞こえの改善に有益と明確に分かっている人々についても、実際に聴覚に対する対処や治療などの行動をおこしている人々は、約5人に1人にとどまっていることが報告されています。日本国内では「人口における難聴者の割合」については海外での統計結果と大きな差は無い一方で、「難聴者の補聴器使用率」については、国内での補聴器の使用率は13.5%と欧米諸国と比べてかなり低いとされます。*難聴はよくある健康の問題である一方で、生活や人生に影響を与えかねない問題でもあります。聞こえの変化を感じたらできるだけ早く行動を起こすことが重要です。

*日本補聴器工業会HPより

人との関わり合いを楽しめることが、難聴に対処する大きな理由となります。
人との関わり合いを楽しめることが、難聴に対処する大きな理由となります。

難聴に対する聴覚ケアには、手術を含む医学的な介入を始め、補聴器の使用による聞こえの改善といった選択肢もあります。どのような治療や解決策が最適であるかは、耳鼻科の専門医の診断によってまずは決定されるべきです。適切な治療法や対処法については難聴の程度や根底にある原因、また難聴の種類に加え、ご自身のライフスタイルに関する情報などを含むさまざまな要素によって決定されます。

なぜ難聴について治療また対処を行うべきなのでしょうか。

米国言語聴覚士協会(ASLHA)のレポートによると、難聴は今日成人が直面する慢性的な健康に関わる問題の第3位にあたるとされます。ともすれば悪化しかねない潜在的な健康問題にもかかわらず、多くの人々は、聴力の低下を認めない、聞こえの悪化についての恐れまたは恥ずかしさなどから治療を求めるのが遅れる傾向があるとされます。

難聴をそのままにしておくことは、認知機能の低下、不安、うつ、転倒のリスクの増加などを含む、肉体的・精神的な多くの健康問題に関連するとされています。難聴によって、日々の会話についていくことがしばしば困難となり、これまで楽しんできたさまざまな活動から足を遠ざけがちになる可能性があります。

難聴に起因する感情面並びに身体面への影響に加えて、米国の医療機関の調査では、難聴に対して適切な対処を行っていない就業者の世帯における世帯年収への影響*についても報告されています。つまり見方を変えると、難聴をそのままにしておくと、難聴とは関係のない健康問題に対する医療費において、収入に対する費用負担の割合が増えることを意味します。

*米国医療機関Better Hearing Instituteの調査による:平均してUS12,000ドルの年収における損失が認められる

難聴は医学の世界においてその研究が広く進んでおり、今日では難聴に対し、より効果的な対処を行う事が可能になりました。

伝音性難聴のへの対処

一般的に外耳または中耳の状態によって引き起こされる伝音性難聴は、多くの場合、一時的なものです。伝音性難聴は、耳垢の蓄積、中耳にリンパ液などの体液がたまる、または鼓膜穿孔などによって生じることがあります。伝音性難聴に対処するための選択肢には、通常、その原因を特定するための医学的介入が含まれます。医学的治療によってこれらの難聴が改善されない場合は、医師や聴覚ケアの専門家のアドバイスのもと補聴器や人工内耳などの他の選択肢が奨められます。

感音性難聴への対処

感音性難聴は永続的であり、この対処として最も広く採用されるのが補聴器です。

感音性難聴は内耳または聴神経に由来し、一般に内耳の有毛細胞の損傷によって引き起こされます。これらの有毛細胞は自己修復せず、一度損傷した場合には医学的に治療することができないため、感音性難聴は永続的なものとして最も多い難聴です。

永続的な難聴が疑われる場合には、可能な選択肢について耳鼻咽喉科専門医に相談をしてください。感音性難聴の多くは補聴器や人工内耳を装用することで改善が見込まれます。

補聴器での対処

医学的な介入で聞こえを回復できない場合、補聴器は多くの方にとって有効な選択肢となります。補聴器にはさまざまな色、スタイル、サイズがあり、求めるニーズや搭載機能によってさまざまな価格帯の補聴器からお選びいただくことができます。

補聴器の目的は、音を増幅したり大きくしたりすることです。補聴器によって聴覚(耳の機能)が回復することはありませんが、聴力を改善し、よりクリアにそして楽にコミュニケーションを取れるよう手助けします。補聴器は、難聴の程度や個人の好みに応じて、耳穴に入れて装着するタイプや耳の後ろにかけるタイプがあります。

聴覚支援のためのさまざまな機器

補聴器は聞こえの改善にとって大きな助けになりますが、補聴器だけではすべての補聴器ユーザーの特別なニーズに対処できるとは限りません。

オーティコンのアミーゴ(Amigo)はFMワイヤレス通信技術を利用する聴覚支援機器です。
話者との距離が離れている場面など、特定の環境で活用することができます。

聞こえを取り巻くさまざまな環境の中で、補聴器に付随して使用いただくことでコミュニケーションの溝を埋めることができる様々なオプションや聴覚支援のための製品があります。

聴覚支援機器は、テレビを見たり、ラジオを聞いたり、電話で話したりする際に、聞こえにおける体験を改善することができます。

人工内耳

人工内耳は、重度の難聴または完全に聴力を失った方が音を認識するのに役立つ小さな電子機器です。人工内耳は通常の聴覚経路をバイパスして、聴神経を直接刺激します。人工内耳は補聴器とは仕組みが異なり、音をより大きくする代わりに音響信号を電気パルスとして送達します。

補聴器あるいは人工内耳のいずれを利用する場合でも、機器が適切に調整され、確実に機能しているかどうかを確認するために、耳鼻科の専門医、聴覚ケアの専門家あるいは補聴器販売店へ定期的に足を運んでいただく必要があります。

難聴は誰にでも起こりうる問題ですが、医療的な処置、あるいは今日の優れた技術により早期に対処することが大切です。聞こえの変化を感じたら、耳鼻科を受診の上、お近くの補聴器販売店へご相談ください。